第34話:記者会見③

今回は少し短めです。

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俺達の紹介が終わった後。唐突に、国民栄誉賞の授与式が始まった。


「表彰状、上凪優希殿。貴方はこの度未曾有みぞうの現象であった、ダンジョンを攻略し異世界にて努力し研鑽を積み、前人未踏の世界初上級ダンジョンの攻略を成し遂げ、今の日本のエネルギー問題を解決する新エネルギーの発見、そして政府要人を救出する事を成し遂げ、日本国民に勇気と希望を与えました。よってここに国民栄誉賞を贈り、これを表彰します」


そう言って宮田総理が賞状を渡してくる。


「おめでとう、とても助かったよ」


「ありがとうございます」


そして大きな盾を手渡され、シャッターが一斉に切られる。


耀達が拍手をしてくれ、その場は終了となった。



◇◆◇◆◇◆◇◆


会見後、宮田総理が「来年春の叙勲は又出てもらうからね~」と言って去って行った。


「ねえ巴ちゃん【春の叙勲】って何?」


「えっとですね……春と秋年二回行われる褒章ほうしょうを渡すイベントですね」


「へぇ……ってその時までに、スーツ作っとかないと不味いよね?」


「ですね、今回は礼装用の魔法鎧で済ませてましたけど、必要になりますね」


「了解、作りに行かないとなぁ……」


「アレでしたら、我が社で作ってみては?」


巴ちゃんが面白い提案をしてくれた。


「それいいね、やってみよう!」


「わかりました、それと。これからですね」


「あぁ、行こうか」


俺と巴ちゃんは先程会見を終わらせた部屋に向かう、まだメディアの方々は残っているはずだ。


そこに向かい扉を開けると大多数の視線が向いた。


「もしよろしければ、皆様。もう一つ見て行っていただきたい事があります」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「配信サイトOKです!」


「壁の増強はOKだよ!」


「それじゃあ始めようか」


「「「「「はい!!」」」」」」


「どうも、上凪ちゃんねるでーす、今回は皆さんにお知らせがあって、こんな時間にスタートしました~アシスタントは水城耀と……ほら巴ちゃん」


「ど、どうも!! 上凪ちゃんねるのアシスタント兼、株式会社マジカルヴェストメントの社長秘書を務める紡巴と申します!」


”聞いた事無い会社名だね”

”二人共可愛い~~”

”この二人確か上凪さんのお嫁さんだよね?”

”さっきテレビで見た見た!!”


「あはは~ありがとうございます! 一応先程の会場からお送りしていて、メディアの方々もこうしていっしょに見ていただいてまーす」


「よろしくお願いしましゅ!!」


”噛んだ”

”噛んだな”

”かわいい~~~~”

”俺ファンになりそう……”

”俺はもうなった!!”


「あわわ……あ、ありがとうございます!!」


「さてさて~巴ちゃんを妹に出来るのはわたしだけだぞ~したかったら私を倒してからにしなさい!」


”無理”

”無理だな”

”むりです”

”勝てるわけない”


「耀さんそろそろ」


「あっそうだったね、それでね今回配信をしてるのは、私達が立ち上げた株式会社マジカルヴェストメントって会社の商品紹介をしたくてね配信をしたの」


”なんだダイマか”

”どんなもんだろう?”

”異世界の物かもしれないな”

”びっくりドッキリメカかも”

”古!!”

”古いぞお〇さん”

”いつの時代やねん”

”新作でも、もう7~8年前だぞ”


「あはは……そろそろ紹介する商品をみんなに見せるね」


そう言ってカメラの向きが俺とメアリーに切り替わる。


俺は市販される予定の簡易型改良魔法鎧を起動する。


「いいぞ、メアリー」


「はイ」


そういったメアリーが、両手に銃を構える。


――――パァンパァンパァンパァンパッツパッツパッツっと音を鳴らせながら銃を乱射する。


某立ちしてる俺はその全部を魔法鎧で受けて弾いてく弾切れになり、メアリーが銃を降ろす。


”びっくりしたぁ……”

”いきなりスプラッターシーンが流れたと思った”

”上凪さんは大丈夫なの?”

”流石にショッキング過ぎるわ……”


「うん、大丈夫だよ~」


軽く両手を振る、するとメディアの方々も唖然として言葉を完全に失っていた。


”はああああああ!?”

”えええええぇぇぇぇぇぇ!?”

”なにそれ……怖い”

”銃弾防いだよ……やばっ”


配信の方も驚きのコメントが流れる。


「そ、それでですね!! 今回のこの商品名前が【ウィザードウェア】というのですがそれを将来的には販売をしたいと思います!! それとこの装備を配備したダンジョン探索専用PMCを我が社で設立しようと思います!!」


”え?”

「え?」

”えええぇぇぇぇ!?”

「「「「「ええええぇぇぇぇ!?!?!?」」」」」」


配信もメディアの方々も驚きの絶叫に包まれた。



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