特別編:いい夫婦の日①
今日は【
因みにヒロインが一人増えてます、予定してるヒロインなので今回載せます!
ここまで読んでる方にはバレバレですが!
時間軸的には今やってる所の一年後ですので少々ネタバレが入ります。
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11月22日、世間一般では
「それじゃあ、今日はどうしましょうか」
「そうですね……順当に分けて2時間づつで行きましょうか?」
「そうですね、お昼と夕食は皆さんで食べましょうか?」
「りょうかーい!」
「でハ、順番はどうしましょウ?」
「そうですね、ここはジャンケンで行きましょう」
「わっ、わかりました」
「わかりました!」
「わかった!」
「よろしくお願いします」
「「「「「じゃーん、けん!」」」」」
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「よろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしく」
俺は今、里菜と一緒に異世界の温水湖に来ていた。
「でも良かったの? 湖水浴で」
「はい! それにここ、今は異世界有数のデートスポットになってるらしいですよ」
「そうなんだ、だからこんなに人が多いのか……」
「私も予定外でしたけどね、ここまで多いのは……」
視界に広がる温水湖には、異種様々なカップルが多く居る。
「でもまぁ、俺達が行くのは半分プライベートビーチみたいな所だから」
「そうなんですか?」
里菜の手を取って歩きだす、時間も無いしさっさと行かないとね。
「うん、前にここの開拓を頼まれたじゃん。あの時に知り合った領主さんが、今回の場所を提供してくれたんだ」
「あぁ……あの時ですか……」
里菜も思い出したのか、「そういえば」という顔をしている。
「えっと……ここだ」
「大きいですね……」
「あぁ……」
二人して目の前に現れた門を見上げる、前来た時は水上バンガローみたいな感じだったのに今は水上に
「失礼ですが、カミナギ様とその奥方様で、よろしかったでしょうか?」
見上げていたら、目の前に羊の角が生えた魔族の男性が現れていた。
「えっ、あぁすみません。上凪です」
「お待ちしておりました、旦那様にご用命され現在はこの【
恭しくお辞儀をするレガリアスさん、羊魔族の人っぽい、少しもこもことした体毛も見えるし。
「すみません、無理を言ってしまって……」
「いえいえ、我が主も『ぜひカミナギ様の役に立てるなら!』と息を巻いておりました」
受付をスルーしながらレガリアスさんの後に付いて行く、すると一見どこの王宮かよと思う程の豪華な装飾の施された扉の前に立たされた。
「本日はこちらのお部屋をご利用なさってください、必要であれば係りの者が飛んで参りますので、こちらのベルを鳴らして下さい」
そう言ってレガリアスさんは、ベルを取り出し魔法で扉を開ける、中は高級リゾートホテルの一室様に広々とした部屋だった。
「凄い……」
「あぁ……」
ただ着替える場所を貸して貰えれば良かったんだけど……凄いな……
そう呆気にとられていると、背後の扉が閉まり魔法で施錠された、これユフィが作ったオートロックの魔道具か。
「それじゃあ、泳ぎましょうか!」
「そうだね、時間も無いし!」
着込んで来た服を脱ぎ、二人共水着になる、里菜はホルターネックの黒地に赤い流線形のグラデーションが入ったビキニだ。
「あれ? 里菜その水着……」
「これ? 実は今年買ったんだけど、着る機会が無くてね。今年の夏はスポンサーからの試供品の水着だったじゃない? 業界的にそうゆうのが結構うるさくて……」
「あーそういえばそうだったな……」
「だからね~優希さんに見せたくて!」
「うん、似合ってる。里菜の綺麗さが引き立つね」
「あ、ありがとう……」
顔を赤くして、照れる里菜、普段は大人っぽい顔をしてるんだけどこうゆう時に見せる顔がすごく可愛い、額に入れて飾りたいな。
「っと……里菜の可愛さを噛みしめるのも良いけど時間が無いな……」
「そうだった! 行きましょう!!」
少し顔が赤いままの里菜に腕を引かれ、備え付けのプライベートビーチへ駆けだす。
そのまま
「おっとと……」
「わわっ……」
倒れそうな里菜を支えてると、どこからともなく風が吹いて俺達を支える。
「ありがとう、シルフ」
「——————(まったく……二人共、危ないんだから!)」
里菜の指輪の中に宿した、風精霊のシルフが俺達を支えてくれていた。
「あはは、ごめんね、気を付けまーす」
「ごめんな」
「——————(はしゃぐのは良いけど、ちゃんと注意してよね!)」
そのままシルフがボートを風で押し始めた。
「わぁ!」
「おっと……結構早いな」
「——————(じゃあ!もっと早く行くわよ!!)」
そのままぐんぐんと加速していき、急カーブを曲がったり大きな波を飛んだりした。
そして、ついに二人共手を滑らせてボートから飛ばされる。
「わぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺も里菜も良い音を鳴らして水におちる、底は浅いし、二人共身体強化できるので溺れる事は無い。
「っぷはぁ……」
「っふぅ……」
そのままバシャバシャと泳いで岸まで向かうと、シルフが少し申し訳なさそうな顔をしていた。
「どうした?」
「——————(ごめんなさい……)」
多分やりすぎたのだと思ったのだろう、バツを悪そうにしたシルフが謝って来た。
その顔を見た俺達二人は、顔を見合わせ笑う。
「——————(なっ! なによ!私が謝ってるのに!)」
「ごめんなさい、シルフ。おかしくて笑ってたんじゃ無いの」
「——————(うぅ……)」
「あーごめんごめん、シルフがこんな素直に成長してくれてて嬉しいんだ」
「そうね、生まれたのがこの間なのに、もうちゃんとこうしてしっかり謝ることが出来る、それが嬉しいのよ」
二人で撫でていると唐突にシルフが里菜の指輪の中に戻って行った。
「あらら……」
「戻っちゃったわね」
そのまま指輪が淡い光を失う、どうやら眠った様だ。
「俺達も戻ろうか?」
「そうですね、そろそろ時間ですし……」
手を繋ぎながら、戻る途中、里菜が両親から貰った時計で時間を確認した。
「ゴメンね、短い時間で」
「いえいえ、時間がこうして取れるだけ良いですから」
時計を見ると終了時間だった。
「優希さん」
「ん?」
着替えの途中振り返ると、すぐ背後に居た里菜がキスをしてきた。
「えへへ……今日、一番乗りです」
「まったく……かわいいなぁ……」
そう言って抱きしめてお礼のキスをする。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「それじゃあ、先に戻るね」
「あっ、そうそう優希さん。暇になっちゃいますので他の人で来れる人が居たら連れてきてもらえると嬉しいなぁって……」
「わかった、じゃあ聞いてみるよ」
「お願いします!」
微笑む里菜を置いて俺は一足先に戻ることになった。
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