第32話:新兵器登場
昼過ぎに綴さんの言っていた通り政府からの連絡がホテルに来た。
『こんにちは、上凪優希さんでお間違いないでしょうか?』
「こんにちは、はい間違いないです」
『この度は日本・イタリアの共同作戦に参加していただきありがとうございます、私イタリア大使館で働いています飯田と申します』
「飯田さんですね、よろしくお願いします」
『さっそく、本題に移らせていただきます』
「お願いします」
『今回の作戦としては【巨人の墓】の外に出てくると思わしき巨人の討伐となります、作戦に於いては上凪さんの自由にやっていただいて大丈夫です。参加されるのは上凪さんと水城さんでよろしかったでしょうか?』
「はい、間違いないです」
『では、イタリア側からは物資及び必要とあれば武器弾薬の補給となります』
「了解しました」
『この後通訳として私もそちらに向かいます、軍関係者の方が向かいますので準備をお願いします』
「わかりました、ご丁寧にありがとうございます」
『こちらこそありがとうございます、では後程』
「電話終わった?」
「終わったよ、軍の人が迎えに来てくれるから準備してほしいって」
「わかったわ」
そう言って耀は脱衣所へ入って行った。
「よしじゃあ俺も装備チェックしとくか…」
今回の装備は鷲司さんから貰った刀と投擲用ナイフのみ服は動きやすいようにTシャツにGパンだけのシンプルな軽装備である。
着替え終わった耀は俺と同じようにTシャツGパンに縫製師のジョブが作ったローブを装着している、薄いように見えるが刃物を通さない優秀な素材である。
「さて、行きますか」
「ええ、行きましょう」
「はイ、行きましょウ」
「「うわぁ!?びっくりしたー」」
唐突に現れたメアリーに二人でびっくりした。
「いきなり出てくるなよ…」
「ホント、びっくりしたわ…」
「とゆうかメアリー何その格好?」
メアリーは出会った時の襲撃者スタイルだった、流石に頭巾は被ってないけど。
「私モ戦いまス!」
おお…ついてないけど、尻尾が見える見える、思いっきり振ってやがる。
「メアリーはモンスターと戦った経験は?」
「ないでス…」
あ、尻尾が垂れた…まるで犬だな。
「そう言えば…メアリーって銃火器の扱いも可能だっけ?」
「はイ!普通のピストルから対物ライフルまデ。大型の火器だト、あまり使ったことはありませんガ使い方は覚えてまス!」
「だったら連れて行くには条件がある、守れるなら良いぞ」
「わかりましタ!」
「優希ー話はまとまったー?軍の人が来たみたいー」
「じゃあ行こうかメアリー」
「はイ!お供しまス!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから椅子がカチカチの軍用ヘリに乗せられ(初めて乗ったのでワクワクしてた)島の中央にある軍基地へ到着していた。
「こんにちは、上凪さん。飯田です」
到着して早々に飯田さん(小太りのおじさん)に挨拶された。
「こんにちは。改めまして上凪優希です」
「えっと、一人が水城耀さん、もう一人が…」
「メアリー・アーリンストンです優希さんと耀さんのお世話と護衛です、お見知りおきを」
「そうなんですね、一般人を巻き込むのは気が引けるんですが…」
「大丈夫です、彼女は俺のサポート役ですから、それと用意してほしい銃があるんですけど。大丈夫でしょうか?」
「良いですが…銃火器はモンスターに効き辛いですよ?」
「大丈夫ですよ、対応策は用意してあります」
「わかりました、ではどういったものを?」
「それはですね…」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから2時間後、俺は即製されたの射撃場へ来ていた。標的とされ置かれたドラム缶は粉々に破砕されている。
「どうメアリー?上手く出来た?」
「はい、これなら私も戦えそうです」
笑顔でエミリーが持つ銃は【PGM ヘカートII】と言われる銃で昔から使っていて手に馴染むらしい、生き生きとしている。
「しっかし、まさか使えるとは思わなかったけど…上手くいって何より」
「まさか、私が魔法を使えるなんて…」
「まぁ、元々身体強化は仕えてたとはいえ、ここまで上手く使えるとはね」
メアリーに教えたのは弾丸に魔力を纏わせる、強化魔法の一種で冬華が使っている技の応用編だ。
「でもこれで、優希さんのお役に立てます」
「まぁ、作戦開始まで時間はあるし休んでおこう」
「そうですね、それでその巨人は?」
「今は確認されてないね、モニターやドローンで監視中みたい」
「わかりました、耀さんは?」
「あぁ、あっちで銃の撃ち方習ってるよ、やってみたいんだって」
「そうですか…優希さん、あのですね」
「ん?どうした?メアリー」
「いえ、改めてありがとうございます」
「まだ気にしてたの?」
「いえ、色々と我儘を言ってしまったので…」
「友達なんだし良いっての…そうだ、今度ご飯奢ってよ、それでチャラにしよう」
「でも…それじゃあ釣り合わない…」
「友達なんだしこれくらいで良いの良いの」
「わかりましタ…日本に帰ったラ、一緒にご飯に行きましょウ」
そうメアリーと笑いあってると、前触れも無く基地内に警報が鳴り響いた。
「メアリー」
「はイ、優希さン、行きましょウ!」
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あとがき
作者です。
そろそろメアリーについて気付いた方も居ると思いますが。
もうちょいで明かされます。
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