第81話 裸エプロンで登場の無未ちゃん

 実家の件で無未ちゃんに連絡したところ、直接、会って話をしたいということなので無未ちゃんの家へ行くことに。


 仕事とアカツキのダンジョン配信が忙しくて都合がつかず、なかなか行くことができなかったが、ようやく暇ができて俺は無未ちゃんの家へと向かっていた。


「えっ? ここ?」


 聞いていた住所に来てみると、そこに建っていたのは豪邸。

 ブラック級探索者の無未ちゃんが住んでいるのだから、家がこれくらいでかくても当然と言えば当然であった。


 ここのところ豪邸に来ることが多いな……。


 豪邸を見ると自分の住んでる部屋がウサギ小屋のように思えてしまう。

 とはいえ、別にでかい家に住みたいとは思わない。でかい家に住んでも移動が面倒なだけだと、異世界で嫌というほどに思い知らされたからだ。


 それはともかくインターホンを押す。

 すぐに無未ちゃんが答え、俺は家へと招き入れられた。


「いらっしゃい小太郎おにいちゃんっ」

「あ、無未ちゃんお邪魔し……ええっ!?」


 玄関に現れた無未ちゃんはエプロン姿。

 それはいいのだが、どう見てもその下にはなにも身につけていなかった。


「な、無未ちゃんエプロン……」

「うん。小太郎おにいちゃんのためにお料理を作ってるの」

「あ、そうなんだ。ありがとう。じゃなくてっ、そ、その、エプロンの下ってなにも着ていないんじゃ……」

「あ、えっとその……クリーニングとかお洗濯で着るものがなくなっちゃったの」


 そんなわけないだろうと心の中でツッコミを入れつつも、小さめのエプロンを内側から押し上げているおっぱいがエッチなので、俺はなにも言えなかった。


「ダメかな? こんな格好?」

「ダ、ダメじゃないよっ。うんっ。すごくこうふ……いや、かわいいと思うよっ」

「そう? よかったっ。さ、あがってあがって」


 無未ちゃんに促されて俺は家へ上がり、広い食堂へと通された。


「もうすぐお料理ができるから少し待っててね」

「あ、うん」


 実家の話を聞きに来たのだが、まあ焦ることもないだろう。

 せっかく料理を作ってくれているのだし、それをいただいてからでもいい。


 俺がイスへ座ると、キッチンへ向かおうとしていた無未ちゃんが振り返る。


「あの、ね……わたしその、お料理してるとすごく集中しちゃうの。なにかされても気付かないっていうか……触られてもたぶんわからないと思う」

「そ、そうなんだ」

「うん。そ、そういうことだからっ」


 そう言って無未ちゃんはキッチンへ小走りで駆けて行く。


「……」


 ……鋭くない俺でもわかる。

 さっきのはつまり……触ってくれということだと思う。


 あの魅力的な身体に小さなエプロンが1枚。

 それを触り放題。


 いかん。想像しただけで座っているのに起立してしまう。


 これは誘われている。

 しかしその誘いを受ければ無未ちゃんと完全にそういう関係になる。


 その覚悟が俺にあるかと自問してみるが、なかなか答えは出なかった。


 無未ちゃんのことは好きだ。

 しかし無未ちゃんとの関係を考えると、どうしてもアカネちゃんが頭に浮かぶ。

 アカネちゃんのことを考えると、誘いを受けることができなかった。


 しばらくもんもんとした心地でいると、やがて料理を持った無未ちゃんが食堂へ戻って来た。


「むー……」


 心なしか……いや、実際そうなんだろう。無未ちゃんの表情は不満げだ。


「ご、ごめん……」

「別に……小太郎おにいちゃんは謝るようなことしてないじゃない?」

「いやまあそうなんだけど……って」


 テーブルへ置かれた料理に俺は目を剥く。


「これもしかして……すっぽん鍋?」

「うん。他にもあるから待っててね」


 次に現れたのは牡蠣フライ。

 ウナギのかば焼き。

 アボカドのサラダ。

 とろろご飯。

 にんにくの香りたっぷりのから揚げ。


 と、おいしそうな料理が次々に並べられる。


「わーおいしそうだなー」


 豪華な料理を前に俺はゴクリ唾を飲む。


 自分でも料理は作るが、ここまで立派にはできない。無未ちゃんは綺麗でかわいくてとっても良い子なのに、おっぱいも大きくて料理も上手だなんてたいしたものだと、俺は心の中で称賛した。


「いっぱい食べてね。デザートもあるから」

「デザートもあるんだ。楽しみだなー」


 デザートってなんだろう?

 メロンとかだったら嬉しいなと、わくわくした。


「さあ、冷めないうちにどうぞ」

「うん。えっ……あ、な、無未ちゃん?」


 向かいに座ると思った無未ちゃんが、俺の隣へやってきて座る。


「小太郎おにいちゃんの隣がいいな」

「そ、そう?」


 拒否する理由も無い。


 隣に座った無未ちゃんはイスを寄せてきて、もはや密着状態であった。


「な、なんかこの部屋、暑くない?」


 入ったときより明らかに室温が上がってるような気がする。


「そ、そうかな? じゃあ上着は脱いだほうがいいよ」

「うん」


 俺は上着を脱いでTシャツ1枚になる。


「わーっ!?」

「えっ? うわっ?」


 無未ちゃんの持っていたコップの水がこぼれ、俺のTシャツとズボンにかかる。


「ご、ごめんね小太郎おにいちゃんっ」

「いや、大丈夫だよ。水がかかっただけだし」


 しかしびしょびしょになってしまった。

 服が肌に張り付いてちょっと気持ち悪い。


「乾かすから脱いで」

「えっ? でも俺これ脱ぐとパンツだけになっちゃうんだけど?」

「部屋が暖かいから大丈夫だよ。わたしもこんなだしさ」


 それを言われると無理とも言えなかった。


 俺は言われた通りに服を脱ぎ、無未ちゃんに渡す。

 パンツ1枚で人の家にいるのは普通に恥ずかしかった。


 やがて戻って来た無未ちゃんと食事を始める。


「小太郎おにいちゃん、あーん」

「えっ? い、いや自分で食べられるから」


 食べさせてくれようとする無未ちゃんを俺は拒否するが、


「ダメ?」


 悲しそうな目でそう言われた俺はダメなんて返せるはずもなく、


「ダ、ダメではないけど」

「ふふ、よかった。それじゃあ、あーん」

「あ、あーん」


 ……結局、最後まで食べさせてもらうことになった。


「ふーごちそうさま」


 2人で料理を綺麗に平らげ、満腹の俺はイスにもたれかかる。


 なんだか身体がポカポカと熱い。

 部屋の暑さではなく、身体の芯から熱いと感じていた。


「はふー、食べたらなんか暑くなってきちゃったー。ねー小太郎おにいちゃん?」

「!?」


 見ると無未ちゃんはエプロンの腰ひもをほどけさせて、身体を両手であおいでいた。

 もうエプロンは首からぶら下がっている長い布でしかない。あおぐ風でエプロンは揺れ、あと数ミリでおっぱい様の頂点が顕現されてしまいそうだった。

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