かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第12話 レイカーズリーダーの不気味な余裕(コメント+小田原智視点)
第12話 レイカーズリーダーの不気味な余裕(コメント+小田原智視点)
タイガー:あ、再開した
めたどん:再開
そらー:なんか画質おちてる
ランラン:すめらぎ
ぬまっきー:すめらぎおる
ナイトマン:セレスティって人なんだったの?
おやつ:こいつどっから現れた?
マンダ:すめらぎ死ね
そらー:クソダサハンターw
ぬまっきー:クソダサハンターw
ナイトマン:クソダサハンターだろ
タイガー:ダサ過ぎだろこいつ
ランラン:もしかしてセレスティって皇だった?
おやつ:白面さんやっちゃってください
めたどん:アカツキちゃん連れてってどうするんだ?
そらー:責任てw
ランラン:落とし前?
おやつ:白面さんにボコられるすめらぎ期待
ぬまっきー:レイカーズ?
ナイトマン:レイカーズってすめらぎが所属してるチームか
そらー:やば
ランラン:これやばくね?
タイガー:犯罪
おやつ:ひどい
ぬまっきー:まじかよ
マンダ:犯罪者集団じゃん
おやつ:下衆野郎だわ
めたどん:くず
ランラン:かす
おやつ:はよくたばれ犯罪者
ぬまっきー:白面さん格好良い
そらー:イケメン
マンダ:さすが
ナイトマン:あなたが本当のナイトだ
タイガー:お前じゃ白面さんに勝てないからw
ランラン:イキってんじゃーよゴミ野郎
そらー:ベルゼビュート
めたどん:スキル持ちか
ぬまっきー:きもい鎧
おやつ:中層あたりにいるハエの魔物
タイガー:スキル疾風はガチでやばい
ランラン:ちょ、ベルゼビュートの鎧なんて持ってたのかこいつ
ナイトマン:やばい
マンダ:避けられたとか聞いたことない
そらー:避けるの無理なスキル
おやつ:でも白面さんなら大丈夫な気がする
ぬまっきー:白面さん!
めたどん:応援しかできない
タイガー:ああああああ
おやつ:きえ
マンダ:おおおおおおおお
ランラン:おおおおおおお
そらー:おおおおおおおお
ぬまっきー:おおおおおおおお
おやつ:まじか
ナイトマン:おおおおおおお
タイガー:おおおおお
めたどん:つかんだ
ランラン:腕つかんでる
マンダ:まじやば
ナイトマン:すご
そらー:まじですか
ぬまっきー:避けるどころかあっさり受け止めてるし
おやつ:すげ
タイガー:白面さんなにものよ
ランラン:うおおおおおお
めたどん:やったれ
マンダ:ぼこぼこに
ナイトマン:すめらぎ死んだな
そらー:いけー
おやつ:ぼこれ
ぬまっきー:やったれー
タイガー:更生不能慈悲は無い
ランラン:うおおおおおお
マンダ:拳の一撃
ナイトマン:一撃必殺
タイガー:ぶっ飛ばしたw
めたどん:死んだ?
そらー:死去
ナイトマン:ざまー
おやつ:ざまああああ
ぬまっきー:ざままままw
ランラン:死んでない?
そらー:鎧こなごなざまーw
めたどん:殺してはいないのか
ナイトマン:生きてる
マンダ:お
ぬまっきー:カメラかわってたのか
ランラン:元のカメラ壊れてたの?
おやつ:すめらぎが奪って壊したとか?
タイガー:えっ? 予備のマイクどこにあるの?
そらー:白面さん驚いてるしなんか意外なところに持ってたのかな
ナイトマン:よくわからんけどアカツキちゃんナイスー
マンダ:レイカーズ壊滅へ
そらー:国家ハンター出番ですよ
ぬまっきー:おっつ
そらー:おつかれっす
マンダ:またあしたー
ランラン:アカツキちゃん白面さんまたね
めたどん:明日も楽しみにしてます
ナイトマン:白面さんの無双にも期待
タイガー:アカツキちゃん白面さんおつかれー
……
配信を眺めていた智は真っ青になる。
隆哉がやられた。
あの白面って奴、何者だ? 疾風からの一撃を受け止めるとかありえない。
いや、今はそれを考えるよりも、これが配信されたことだ。
「隆哉の奴、べらべらしゃべりやがって」
このままじゃレイカーズは終わりだ。
それだけならまだいい。
下手をすれば逮捕される。
逮捕されれば会社はもちろんクビだ。
今までのすべてが無駄になる。
どうしたらいい?
証拠は無い。
逃げきれるか?
しかしレイカーズの誰かが捕まって、取り調べでチームメンバーのことをゲロりやがったら終わりだ。
「や、やばいやばいやばい……」
頭を抱えて智は蹲る。
「おや、どうしましたか? 智さん」
背後から誰かが声をかけてくる。
振り返ると、ニコニコ笑ったような顔で中年の男が立っていた。
「え、英太さん」
レイカーズのリーダー藤河原英太だ。
英太は大柄な身体には似つかわしくない優男風の顔で智を見下ろしている。
「そ、その……ちょっとまずいことになりまして」
「ああ」
英太はでかい手に持った自らのスマホを眺める。
「配信は私も見ていましたよ。隆哉さんがやらかしてしまったみたいですねぇ。やれやれ困ったものです」
「ど、どうするんすかっ? 警察とか国家ハンターとか動いたら……」
「動きませんよ」
「えっ?」
ニコニコ笑ったまま落ち着いた様子で英太はそう答えた。
「け、けどさっきの配信がネットで拡散されたりしたらまずいっすよっ!」
「いいえ、なにも心配はありませんよ」」
「えっ? そ、そうすか?」
冷静な英太の様子を前に、智の焦りも弱まっていく。
「レイカーズには警察や国家ハンター、政治やマスコミに携わる方も何人か所属してもらっています。ネットでの拡散などどうとでもなりますよ」
「マジすか? そ、そんなすげーチームだったんすね」
それを聞いて智は心底ホッとした。
「しかし隆哉さんはいけませんね。落とし前をつけられないどころか、チームメンバーを不安にさせてしまうなんて……まったくいけませんねぇ」
「ひっ……」
英太の笑顔が邪悪に歪むのを見て、智は短く悲鳴を上げる。
チームの誰もがこの人を恐れている。
誰も英太には逆らわないし、言われたことには絶対に従う。
智は英太を怒らせたことがない。怒った姿も見たことがない。しかしサブリーダーの隆哉も、自分より古いメンバーも全員が英太には一言も口答えをしないのを見て、智はこの人を絶対に怒らせてはいけないと察していた。
この人を怒らせたら絶対にダメだ。
殴られるとか蹴られるとかならまだいい。きっと、たぶんだが、もっとひどい目に遭わされる。
英太はレイカーズの中で唯一、女を犯さない。
代わりに犯している対象を知っている智は、英太を怒らせたら自分がどういう目に遭わされるか想像して震えた。
「失礼します」
そこへ誰かがやって来る。
「えっ? あ、こ、国家ハンターっ!?」
やって来たのは国家ハンターの制服を着た男だった。
「な、なんで国家ハンターが……」
隆哉がしゃべった件か?
そう思った智は身を震わす。
「ああ、連れて来てくれましたか。ありがとうございます」
「えっ?」
英太が声をかけると、もうひとりの国家ハンターが部屋の中へ誰かを引き摺って来る。
「あっ!」
隆哉だ。
気を失った隆哉を国家ハンターが引き摺っていた。
「じゃあ我々はこれで」
「ごくろうさまです」
英太に頭を下げて国家ハンターは去って行く。
「え、英太さんこれって……」
「言ったでしょう。レイカーズには国家ハンターもいると」
「そ、そうっすね」
レイカーズには国家権力が味方についている。
その事実を実感できた。
「おやおや、ご自慢の鎧が破壊されてずいぶん哀れな格好になっていますねぇ」
地面に転がった隆哉を見下ろす英太の目が怖い。
まともには見れなかった。
「疾風を使う隆哉さんを捕まえて一撃を加えるとは、たいしたものです。あの白面というハンターはストーン級ではありませんね。間違い無くゴールド級の実力はあるでしょう」
「ゴ、ゴールド級……っすか」
そんな奴がなぜストーン級として活動をしているのか?
見当もつかなかった。
「彼と、あのアカツキというVTuberにも、我々を舐めたことに対する落とし前をつけさせていただかなければなりませんね」
「あの仮面野郎と女をやっちまうんすか?」
「我々に迷惑をかけたんです。責任を取ってもらわなければいけないでしょう。どちらもかわいそうなことになるでしょうけど、しかたのないことですね」
「そ、そうすね」
英太は怖い。絶対に怒らせたり敵にはしたくない存在だ。
しかし味方にいたらこれほど頼もしい人もいないと思う。
この人を敵に回すとは、あの仮面男と女は馬鹿なことをした。
きっと後悔をするだろう。
女のほうは美人なら犯され、醜ければ男と同じく惨い殺され方をするだろう。
男は惨たらしく殺され……いや、男のほうは英太次第か。
男はどうでもいい。
女は美人ならいいな。
下半身に滾りを感じながら、智はそこへ期待した。
「例の2人はあとにするとして、まずは隆哉さんですね。あとは私がやりますので智さんは帰っていただいて構いませんよ」
「は、はい。じゃあ失礼しまっす」
ぐったりした隆哉を置いて智はチーム拠点をあとにする。
これから隆哉がどうなるかわからない。
想像もしたくなかった。
たぶん隆哉の顔を見ることは二度とない。
それだけはわかった。
「まあ、隆哉さんの自業自得だしな」
次のサブリーダーは誰だ?
もしかして自分だろうかと考えながらダンジョンを出たとき、
「うん?」
知った顔を見つける。
低学歴の無能部下、末松小太郎だ。
末松は誰かと別れたようで、発車するタクシーを見送っているところだった。
「なんであいつがここに……?」
魔物ハンターの初期装備で突っ立っている。
ならばここにいる理由はひとつしかない。
「あいつ副業してやがったな」
自分はやっているが、部下がやっているのは許せない。
特に無能な低学歴の末松が自分に隠して副業をしているのはむかついた。
「あの野郎……。お、そうだ」
智はスマホを持って、遠くから小太郎の姿をカメラで撮る。
「結局、今日は女を犯れなかったし、隆哉のせいで肝を冷やしたりでイライラすることが多かったから、明日はこれをネタにしてあいつで憂さ晴らしをするか」
偶然にも楽しみを得た智はうきうきな気分であったが。
「ん? そういえばあいつの格好、あの仮面野郎と同じなような……」
仮面野郎もなぜか初期装備だった。
末松はともかく、なぜ仮面野郎も初期装備であれほど強いのか?
「わかんねーな。まあいい。今日は帰るか」
スマホを懐へ治めた智は、鼻を鳴らして家へと帰った。
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