2023年度共通テスト(化学基礎)第1問の問9を解かしてみた!

chatGPTの計算問題の勝率が低いのであまり難しくないような計算問題を出題してみた。文字を用いた問題なのでもしかしたら見た目よりも難易度が上がっているかもしれない。


出題した問題は以下の通りである。


2価の強酸の水溶液Aがある。このうち5 mLをホールピペットではかり取り、コニカルビーカーに入れた。これに水30 mLとフェノールフタレイン溶液を1滴加えてモル濃度x mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定したところ、中和点に達するのにy mLを要した。水溶液Aの強酸のモル濃度は何mol/Lか。


この問題に対するchatGPTが出した答えは以下の通りである。


この問題では、モル濃度x mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で水溶液Aを中和することで、水溶液Aの強酸のモル濃度を求める必要があります。

まず、中和滴定の方程式を考えます。

強酸 + 強塩基 → 塩 + 水

この場合、強酸として水溶液Aが使用されており、強塩基として水酸化ナトリウム(NaOH)が使用されています。

滴定の過程で中和点に達するということは、等量反応が起こり、強酸と強塩基のモル比が1:1になることを意味します。

滴定の結果、水酸化ナトリウム水溶液の使用量はy mLであり、この量が強酸のモル濃度と等しいことから、次の式が成り立ちます。

5 mL × 強酸のモル濃度 = y mL × 水酸化ナトリウムのモル濃度

この式を使って強酸のモル濃度を求めるためには、水酸化ナトリウムのモル濃度を知る必要があります。

水酸化ナトリウム(NaOH)は強塩基であり、1モルのNaOHは1モルの水酸化ナトリウムイオン(OH-)を含んでいます。したがって、水酸化ナトリウムのモル濃度と水酸化ナトリウムイオンのモル濃度は等しくなります。

水30 mLにx mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えると、水酸化ナトリウムイオンのモル数は次のようになります。

水酸化ナトリウムイオンのモル数 = 水酸化ナトリウムのモル濃度 × 水の体積 (L)

= x mol/L × 0.030 L

= 0.030x mol

したがって、水酸化ナトリウムのモル濃度として0.030x mol/Lを使用します。

これを元の式に代入して、強酸のモル濃度を求めます。

5 mL × 強酸のモル濃度 = y mL × 0.030x mol/L

強酸のモル濃度 = (y mL × 0.030x mol/L) / 5 mL

= 0.006x y mol/L

したがって、水溶液Aの強酸のモル濃度は0.006x y mol/Lとなります。


この問題で水30 mL希釈は計算上は考慮する必要がない値である。残念ながらchatGPTはこの30 mLを用いて計算を行ってしまっている。また中和滴定の式の立て方が間違っている。


では模範解答をどうぞ。


中和滴定の結果から次の式が成り立つ。

(価数)×(酸のモル濃度)×(酸の体積)=(価数)×(塩基のモル濃度)×(塩基の体積)

水溶液Aは2価の酸、水酸化ナトリウム水溶液は1価の塩基である。水溶液Aのモル濃度をc mol/Lとすると

2×c×5/1000=1×x×y/1000

∴c=xy/10=0.1xy

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