第6章242話:生存

魔力でコーティングされた弾丸は、モンドルノのそばの地面をえぐり飛ばした。


アサルトライフルの威力は、十分に伝わっただろう。


モンドルノはもちろん、兵士たち4人もガタガタ震えた。


「二度目はありません。もう一度聞きますよ? あなたのバックにいるのは誰ですか?」


アサルトライフルの銃口を、今度こそ、モンドルノの頭に向ける。


モンドルノは怯えながら言う。


「こ、答えられねえ」


私はアサルトライフルに指をかけながら、言う。


「なんですって?」


「答えたら、オレが殺されちまうんだよ!! だから言えねえ!」


と、モンドルノは叫ぶ。


それから卑屈な笑みを浮かべた。


「な、なあ!? あんた、オレと組もうぜ!?」


「……」


「あんたやメイドさんの力があれば、いくらでも稼ぎ放題だ! 実際、良い仕事なんだぜ? 砂漠をいく商人やキャラバンを襲えば、そいつらが持ってるアイテムや、財産を根こそぎ―――――」


私は、アサルトライフルの引き金を弾いた。


ズダダッと。


発射された魔弾が、モンドルノの頭を吹き飛ばした。


血が吹き飛び、周囲の兵士たちの服や頬に付着する。


「あ、あああっ!!?」


と、男性兵士の1人がビビりちらす。


他3人の兵士も、目を見開いて、呆然としていた。


本来、アサルトライフルの銃弾に、敵の頭を吹っ飛ばす威力はない。


せいぜい穴を空けるぐらいだ。


しかし、私が用いているのは、ただの銃弾ではなく―――魔弾。


威力は、普通の弾とは桁違いであり、ミスリルさえ破砕するぐらいの威力はある。


ゆえに、ミスリルほどに硬くない人間の頭蓋なんて、スイカのごとく粉砕されてしまうのだ。


「ご覧の通り――――」


私は、残った兵士たちに言った。


「質問に答えなかったり、はぐらかそうとしたり、話題を変えようとしたら、こうなります」


さらに私は、告げる。


「では、あなたたちにも同じ質問をしますので、答えてくだ―――――」


「あ、あああああああ!!」


「いやああああああああああ!!」


と、恐怖に駆られたのか、男性兵士1人、女性兵士1人が逃げ出した。


私は素早くアサルトライフルを、彼らの背中に向け――――


ダダッ、


ダダダッ!!


と、発砲した。


逃げ惑っていた兵士たちが、血をまき散らして、砂漠の大地に倒れ伏せる。


「逃げても無駄です。この武器は、射程距離も長いので」


と言いつつ、私は、モンドルノや兵士たちを殺害したのは早計だったかとも反省した。


勢い余ってってしまったが、生かして情報を得るべきだったかもしれない。


まあ、残る2人が何か知っていることを祈ろう。


生き残っているのは男性兵士1人、女性兵士1人だけである。


彼らは、非常に強く怯えていた。


だが、逆らっても無駄なことは、十分に理解したのだろう。


2人は土下座して、言ってきた。


「話すッス!! あなたが聞きたい人のことも、話しますから、い、命だけは、許してくださいっす!!」


「私も、なんでも話します! 知ってること全部言います!! だ、だから、助けて……!」


と、二人は半泣きの声になりながら懇願してくる。


私は満足げに微笑んだ。


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