やっきくんの毎日 - 2023

魚里蹴友

2023年1月

1月1日

新春に気分をアゲる

お高めの

赤の体のシャープペンシル


1月2日

内容は

ここではとても言えないが

初恋がありそうな初夢


1月3日

正月の三日の夕餉

食卓の隅に

お節のシメの黒豆


1月4日

てれびくん

最寄りの本屋には有ると

思っていたのにまさか無いとは


1月5日

曇天の

星が見えない夜にこそ

街灯たちの明るさを知れ


1月6日

「本日は天赦日です」と言う旗よ

それなら

さっきの失敗は何


1月7日

ラーメン屋で今すするのは

少年の時とは違う

辛いみそ味


1月8日

物事は

深刻に見て悩むより

楽に陽気に見るのがよろし


1月9日

一昨日も昨日もそして今日も

食べた気がする

そんなおでんである


1月10日

今日もまた

聴きたくなった変な曲

未来の人も聴いているかな


1月11日

コーヒーの最後を飲むと空が見え

雲ひとつ無く

まさに空色


1月12日

ああ

冬の朝がこんなに寒いから

二度寝なんかをしたくなるのだ


1月13日

近くで目を細めるよりも

遠くから眺めるほうが

光は見える


1月14日

恋をせぬ平穏でなく

恋をする激動こそを

期待している


1月15日

半年の準備でテスト

高得点

うまく取れればカッコいいのに


1月16日

暖かい冬に君は言う

「地球温暖化だね」

なるほど一理ある


1月17日

コンビニでパンとジュースの贅沢も

卒業までか

一人暮らしへ


1月18日

おりょうりを親と練習してみよう

スパゲティ茹でる

ツナ缶開ける


1月19日

あの時に戻ればいいと考える

するとなぜだか

時間が進む


1月20日

死にたくはないが

同時に生きたくもないという

この人間らしさ


1月21日

今日噛んだ口の内側

これぐらい

生きているからいつか治るさ


1月22日

闘って敗北しても

立ち上がるチャンスがあるのに

感謝をせねば


1月23日

固まった多数の声に

流されてしまわぬように

強くなるのだ


1月24日

明るさと煩わしさをともに持つ

魔性の雪が

今年も積もる


1月25日

考えるほど欲しくなる

新作のシャープペンシルと

突然の恋


1月26日

若者の俺とニキビの長期戦

クレアラシルよ

切り札となれ


1月27日

平成に生まれた俺は

何一つ

昭和のことをわかっちゃいない


1月28日

厚着をし

凍った道をゆく俺は

よちよち歩くペンギンのよう


1月29日

こめかみのニキビが治り

口元にニキビができる

もぐらたたきと


1月30日

同じ色を使っていても

描き方は

数多の人に数多の色だ


1月31日

「チョコレートは

ついつい買ってしまうよ」と

昨日も思ったことを思った

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