第33.5話 用語解説、登場人物紹介、邪霊紹介
・用語集
精霊と邪霊
どちらも根は同じ精神体である。
精神体とは肉体が精神に宿っている人間を始めとした生物と違って、精神が実体化して肉体のような働きをするようなものである。
ベースが精神であるために、肉体と違って老化することはない。
人間にとって益がある存在を精霊。害がある存在を邪霊と呼んでいて、両方とも本質は変わらない。
精霊は邪霊を退治したり封印してくれるが、邪霊の方が数が多いため精霊だけでは対処しきれない。
だからこそ、人間も一緒になって邪霊を退治する必要がある。
ダンジョン
精霊が厄介な邪霊を封じ込めた際にその土地に発生する概念。
精霊はできるだけ多くの邪霊をダンジョンに巻き込んでその地に封印する。
精霊が封印した中でも最も厄介な邪霊がダンジョンのボスとなり、このボスを倒せばダンジョンは役割を終えて精霊が解放される。
精霊が解放されると、巻き込まれて封印された邪霊も消滅してしまうため、ボスを倒せば雑魚をせん滅する必要はない。
霊障
邪霊から受けるダメージのことを主にこう呼んでいる。
物理的なダメージと違う性質を持っていて、この霊障を取り除く回復魔法が存在している。
また、精霊や人間の攻撃魔法を受けても扱いは霊障となるため回復魔法の対象になる。
精霊は魔法以外では、人間に霊障を与えることができない。
ディガー
ダンジョンを潜る人のことを言う。ディガー協会に申請すれば資格を得られるが、判断基準は意外と緩い。
信仰
その生命体が持っているマナとの親和性をこう呼んでいる。
これが高ければ、魔法の威力に高い補正がかかるが、邪霊や魔法でのダメージが大きくなってしまうので、高ければ良いというものではない。
元は名称がついていない概念であったが、昔は精霊を信仰しているほどこの力が強くなるという俗説があったため、人間が名付けた。
人間経由で精霊もこの用語を使うようになる。
便宜上、キャラ紹介で信仰の度合いを表す時に5段階評価(微、低、並、高、極)を用いているが、実際のところ同じランクであっても個人によってある程度の差はある。
・登場人物
アルド
年齢:27歳 信仰:微 使用魔法:なし(精神にマナの器を持たないため)
現在の装備
武器:疾風の刃 防具:なし
全ての元凶となるはずだった存在。
イーリスが生まれる以前より配偶者に浮気をされていて、それが発覚したタイミングで逃げられた。
配偶者への怒りをイーリスにぶつけてしまったことがきっかけで毒親になった。1度、イーリスに虐待を始めると歯止めが効かなくなった。
それでも、保身のためにイーリスの体に一生残る傷を与えないくらい狡猾な手を使っていた。
本来なら心優しくて人当たりが良い性格で、飲み仲間や職場の人間から好かれていたり、イーリスも毒親になる前のアルドを慕っていたことからそれがわかる。
浮浪者風の男に頭を殴られて、一命はとりとめた。しかし、そこで意識は死んでしまい、植物状態となってしまう。だが、現代日本の転生者の精神が憑依することで意識を取り戻した。
アルドの脳の一部にダメージが負っていたため、転生者の記憶とアルドの記憶。両方が喪失してしまう。
それでも転生者のおぼろげにあった記憶。かつて妻子を亡くしたという記憶があり、無意識レベルのそれから生まれる悲しみを埋めるようにイーリスに愛情を注ぐ。
転生者であるが故にこの世界の人間の精神になら必ずあるマナの器を持っていない。
マナの器がなければ魔法を使うことができないが、代わりにマナの器が破壊されることもない。
壊れる器がないので、人の精神にあるマナの器を壊して精神崩壊させる邪霊装備をデメリットなしで使えるというアルドにしかない強みがある。
必殺技
疾風一閃:最も基本的な技。疾風の刃で速さを高めてから敵を斬る。
旋風刃:相手を斬り、斬った箇所から風の刃が発生して敵を切り刻む追撃技。
イーリス
年齢:9歳 信仰:極 使用魔法:邪霊、赤、緑
現在の装備
武器:なし 防具:魔導士のローブ
本来ならラスボスになる運命を背負っていた少女。
どんなにアルドから虐待を受けても、いつかアルドは元の優しい父親に戻ってくれると信じていたくらい、アルドのことが好きだった。
正史では、その想いが報われることなく、わずかながらに抱いていた希望が打ち砕かれて絶望して魔女に覚醒した。
9歳の割には身長が低めで痩せている。同年代と比べて栄養状態がよくなかったことが原因である。
環境のせいで精神的にも歳の割に幼いところもあり、幼児期のように親にべったりと甘えたい願望が強い。
今の溺愛してくれるアルドのことが大好き。
信仰が極まっている究極の魔法タイプ。
その分、邪霊の攻撃に耐性がないので一撃が致命傷になりかねない。
現存する人間ではイーリスだけが使える邪霊魔法がある。上手く使えばとても強力なイーリスだけの強みである。
魔法
赤の魔法
ロックショット:石を飛ばす技。誰に教わったわけでもなく苦し紛れに赤の魔法を使おうとしたら出た。
緑の魔法
ウィンド:風を巻き起こす魔法。威力は低いが味方を巻き込む危険も少ない。
サイクロン:広範囲に風を巻き起こす魔法。威力が高いが味方を巻き込む可能性もある。
邪霊魔法
ガロウ:狼の形をした霊体を飛ばす魔法。イーリスが平然と使っているが、本来なら邪霊でもボスクラスでないと使えない技。
クララ
年齢:14歳 信仰:並 使用魔法:精霊、青、緑
現在の装備
武器:拳 防具:ディガーウェア
正史では勇者パーティの一員。つまり、イーリスの敵である。
しかし、歴史が変わったことにより、イーリスの姉代わりの存在となっている。
ダンジョンに潜って生計を立てているディガー。普通のディガーは、邪霊を倒したり、周りの素材を回収したりしてコツコツと生計を立てているものが多いが、クララの狙いは精霊を解放すること。
幼少期にダンジョンに迷い込んで孤独を味わったことをきっかけに、1人でずっとダンジョンに閉じ込められることは辛いことだと精霊の気持ちを汲んで解放してあげたいという気持ちに繋がった。心優しい少女。
自分が暴漢に絡まれている時に周囲の人は視界にすら入れなかったのに、アルドだけは助けようという意思を持っていたことを感じた。結局、クララ1人で暴漢は倒せたが、その気持ちが嬉しかったのでアルドに友好的な感情を持つようになった。
イーリスのことも妹のように可愛がっていて面倒見が良い。
信仰は可もなく不可もなく。並程度だから魔法は弱くはないし、打たれ弱くもないバランスタイプ。
魔法
精霊魔法
アパト:邪霊による霊障(ダメージ)を取り除く魔法。精霊魔法は相手の信仰が低くても効果があるので安定した回復が望める。
青の魔法
アイシー:氷を飛ばす魔法。最も基本的な青の氷魔法。
緑の魔法
ウィンド:風を巻き起こす魔法。威力は低いが味方を巻き込む危険も少ない。
サイクロン:広範囲に風を巻き起こす魔法。威力が高いが味方を巻き込む可能性もある。
魔女イーリス(正史のラスボス)
年齢:23歳 信仰:極 使用魔法:邪霊、赤、緑
イーリスがラスボスとなった時の姿。
背が低くて、Aカップだから一見すると子供のようであるが23歳である。
体が未発達になってしまったのは、子供時代に栄養が足りなかったし、強いストレスを受け続けていたために成長できなかったから。
改変された歴史ではイーリスはアルドから体に傷が残る暴力は受けていなかった。しかし、正史ではイーリスの成長と共に暴力が過激になった影響で酷い怪我を負っている。
邪霊から受けた霊障ではないので、魔法でも回復することができなかったので、正史のイーリスは体に痛々しい後が残っている。
・邪霊
ダークバグ(昆虫系)
信仰:並
黒い甲殻に覆われた蜂の邪霊。最弱の邪霊に分類される。
ゴブリン(人型系)
信仰:低
こん棒を振り回している子供程度の大きさの邪霊。最弱の邪霊に分類される。
ブルーワイバーン(ドラゴン系) ボス
信仰:並
青い鱗に覆われた翼竜の邪霊。アルドたちが最初に戦ったボス。
巨大ネズミ(獣系)
信仰:低
二足歩行のネズミの邪霊。5歳児ほどの大きさでネズミにしてはでかい。
ゴーレム(無生物系)
信仰:高
巨大な岩の邪霊。物理攻撃(特に斬撃)が通り辛いけど魔法に弱い。
メレンゲ(無生物系)
信仰:高
白いスライムのような邪霊。物理攻撃(特に打撃)が通り辛いけど魔法に弱い。
マジックスネーク(爬虫類系)
信仰:高
蛇の邪霊。邪霊魔法が使える。
邪霊魔法
ジャング:衝撃波を飛ばす魔法。邪霊魔法の中でも最弱の威力だが、信仰が高い人物がダメージを受けるとかなりのダメージを負ってしまう。
ウルフロスト(獣系) ボス
信仰:高
青い狼の邪霊。信仰が高く、魔法も強力なのでまともに戦えばかなり苦戦する相手。信仰が高いせいで邪霊魔法に弱い。そこをイーリスに突かれて敗北した。
青の魔法
ブリザードウェア:氷の鎧を纏って自己を強化する。
邪霊魔法
ガロウ:狼の形をした霊体を飛ばす魔法。
アナコンダ(爬虫類系)
信仰:低
蛇の邪霊。丸太のように太いのが特徴。
グルルー(獣系)
信仰:並
狼の邪霊。集団で行動する狼の邪霊。
ノントラスト(人型系)
信仰:微
山羊のような角を持った女性の邪霊。己の肉体を武器に戦い、魔法に対しての耐性が強い。特に邪霊魔法が通りにくい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます