マッチングアプリ〜今日から俺は女子達と真っ直ぐに向き合う(多分)〜

@myosisann

第1話 マッチングゥ!

「まじかよっ……!? け、消せない!!」


 『可愛いあの子たちとマッチングゥゥゥゥゥッッッ‼︎‼︎‼︎!! 』


 時刻は夜中の8時過ぎ。俺はスマホ画面に表示されている謎アプリに悩まされていた。いつもならスマホゲーや、据え置きゲーム機のbotanを起動して遊んでるのに!! ちなみに今の推しは新作の『ゼーダルの伝説』だ。色んなギミックを使いこなせるようになってきて超楽しい。早く遊びてぇ。


「なのに、俺は何やってんだっ!?」


 自分の家の部屋で1人、叫んでることに腹が立つ。


「あ〜っ!! くそがっ!! 普通はアンインストールとかあるだろ!? なんで、ないんだ!! ま、まさか、ウイルスソフトとか!?」


 ようわからん高額請求とかきたり!? そ、そのときは無視すりゃあ良い! それか……、なんか個人情報が盗まれたり。


「ま、まあ盗まれてたとしても、そんなたいしたことにはならなーーー」


 ピコン。


 えっ、メッセージ? ぼっちの俺に? 


 と思った時だった。勝手に起動したんだ。

 

『可愛いあの子たちとマッチングゥゥゥゥゥッッッ‼︎‼︎‼︎!! 』のアプリがだ!!


「お、おい!? な、なんでーーー、いいっ!?」 


 俺は、スマホ画面に表示されたメッセージの内容に青ざめた。


『登録完了いたしました。


名前=青木春助あおきしゅんすけ

性別=男性

身分=高校2年生

年収=0円

身長=159.9センチ

体型=ややぽっちゃり

恋愛経験=0(生まれたこのかた)

彼女の有無=無(生まれてこのかた、まじで)

彼女ほしいか=要回答』


「めっちゃヤバいことになってる!? う、ウソだろ!? こ、個人情報!! お、俺の!!」


 めちゃくちゃあってる!! 身長とか!! そうなんだよ、ギリ160センチないんだよ! そ、それに恋愛経験と彼女の有無とか!! 個人情報ってこんなのも盗まれんの!? てか、生まれてこのかた、とか書くな!! すげぇムカつく!! 腹立つ!!


 ピコン。


「ひっ!? こ、今度はなんだっ!? なっ!?」



         要回答

       彼女はほしいか。


    【ほしい】 【すごくほしい】


      【絶対にほしい】



「なっ、なっ!?」


 スマホ画面に表示された選択肢に俺は戸惑うばかりだ。


「これ回答一択じゃねえか!? か、彼女ほしいしかなくね!?」


 スマホ画面の回答項目に触れないよう、画面をタッチしても、何も起こらない。スマホを再起動する操作をしても、なぜか反応しない。このアプリのせいなのか。


「うぐぐっ、な、なんなんだよ。このくそアプリは……、だああああああ!! もう!!」


 俺はヤケになっていた。だから、


「どうにでもなれってんだ!!」


 ポチ。


 『ご回答ありがとうございました、青木様。今日からステキな日々の幕開けです。心ゆくまでマッチングゥをお楽しみを…………♡』


「………、そんなわけ、あるか……!!」


 俺は疲れて、ベットに横になった。近くにスマホを置く。

 画面はデスクトップに戻っていた。いつもの画面、でも、ひとつ違うところがある。


『マッチングゥ!』


 と、画面の空きスペースに表示されている謎アプリ。


「ほんと、最悪だ…………、なんなんだよ、一体……」


そう呟いて、目を閉じて、変な疲れで寝落ちしてしまった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る