男を知らなすぎる幼馴染みの扱い方について
夢色ガラス
好きな人
「紫帆、好きだ」
ふふっと可愛く首をかしげて微笑む幼馴染み、
産まれた時には家が隣で、幼稚園に通うくらいには一緒にいることが当然だった幼馴染み。紫帆のお母さんに頼まれてからは当然のように、天然でフワフワしてる紫帆を守った。小さい頃からモデルみたいに可愛い顔をしていた紫帆が男に絡まれるのは日常茶飯事だったし、僕も紫帆も、女の子はそういうものだと思い込んでいたほどだった。というわけで、高校2年生になっても紫帆を守り続け、同じ高校にまで入ってやった僕は最高に良い奴だ。(なぜこんな派手な一群女子と一緒に生きていたクセに僕はこんな陰キャになってしまったのか…。)
思い出の中の短い髪の少女は、幼げな表情を残したまま美女になって僕の前に立って言った。
「だーかーらー!私も夜瑠のこと、大好きだよっていつも言ってるじゃん?」
「違うよ紫帆。僕は紫帆のことが恋愛的な意味で好きなんだよ」
紫帆は長い髪の毛を耳にかけ、困惑したように笑った。高校2年生になり、前よりずっと大人っぽくなった綺麗な幼馴染み。こんなに良い女子が僕を認識してくれているっていうだけで友達に自慢できる。
部活に入っていない僕は今日、紫帆の部活が終わるまで待っていた。だからもう19時だ。仲が良い先輩には、お前まだいたんかって笑われちゃったけど(てか先輩こそ何でいんの?)。通学路を歩きながら紫帆の言葉を待つ。
「夜瑠が私にそーゆうこと言ってくれるの、嬉しいよ?でもねやっぱねー。」
囁くような透明感のある声にドキッとする。上目遣いでチラッと僕の顔色を伺っているのもあざとい。
「夜瑠」
ドキドキ。ん?と小さく囁いてみる。
「あのさー…」
僅かに僕の指先に紫帆の腕が当たった。何だか恥ずかしくなって、急いで引っ込める。紫帆は気にすることもなく、柔らかな唇に手を添えて可愛く言った。
「恋愛ってぇ、なに?」
ズコーッ!
僕はひとりで暗い道をトボトボ歩いた。恋愛ということを知らない僕のお姫様。いつまで立っても紫帆は僕のことを好きになってくれないみたいだ。振られたとしても、帰りくらいは一緒にー…と思ったけど、紫帆と同じ演劇部に入っている紫帆の親友、
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