第11話

 「セイ~。そろそろとんかつ揚がるから、スマホを見るのやめなさい。」


そう母さんが言ってきたので、俺は、「分かった~。」と返事をするとスマホをカバンの中に入れた。それから2,3分後、トレーにご飯やみそ汁、とんかつなどを載せて母さんがやって来た。


「はい。お待たせ。」


「母さんありがとう。いただきます。」


俺が二度目の夕飯を食べ始めると、父さんがお風呂から上がってきた。父さんは冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぐとリビングにやってきて自分の席に座りテレビを点けた。そして父さんは麦茶を一口飲むと、「キョウヘイくんと中間試験の勉強してるんだって?」と聞いてきた。俺は口に入っている物を飲み込んだ後、「そうなんだ。ごめん。連絡が遅れて。」と返答した。


「いや、いいんだ。部活や予備校があれば、高校生ならもっと帰りが遅れるものだからな。でも、母さんも言ったと思うが、帰りが遅れる連絡はもう少し早い方がいいな。」


「分かった。それと明日からもキョウヘイと試験勉強するから帰るのが遅れるけどいい?」


「ああ、いいよ。ただし、帰りが遅れる連絡は入れるんだぞ。」


「分かった。」


父さんとの会話が終わって、また夕飯を食べ始めると今度は母さんが、「セイ~。夕飯食べ終わったら、お風呂に入りなさいね。」と言ってきた。

「分かった~。」と返事をすると、あとは父さんも母さんも話しかけてくることはなく、ゆっくり夕飯を食べ終えられた。


夕飯を食べ終えるとまず自室に行って、カバンを置いたり、お風呂に入るために着替えを用意したりした。その最中にまたラインのメッセージの着信音が鳴った。カジワラからかな?と思ってドキドキしながらスマホを見ると「窓開けて!」とカジワラに比べたら全然ドキドキしない奴からメッセージが来ていた。

俺が渋々窓を開けると隣の家の窓からこっちを見てる奴がいた。

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