勉強会しよっか

第13話 昼休み1

あわや遅刻というピンチを乗り越えた俺は、午前の授業を受け、昼休みを迎えていた。

「あー、腹減ったー飯食べようぜ」

俺の机にぐでーっと突っ伏した泰正がそう話しかけてきた。

「そうだね、食べよう」

かくして俺たちは昼食にありつけるのであった。


昼食をとった後、俺はいつものようにスマホを見たり、泰正と雑談をしたりして時間を潰していた。

ふと、泰正がこんなことを言ってきた。

「あそうだ。古賀さんはいいの?」

「ん?なんで?」

特に彼女と会う約束をしたわけでも、ましてや勉強を教える約束をしたわけでもない。だからなぜ泰正がそんなことを書くのか俺にはわからなかった。

「いやなんでって、会いにいってやれよ〜、退屈してるかもしれんだろ〜」

「は、はぁ!?なんで俺が…」

余計に泰正の真意がわからず、困惑していると、

「いいから行ってこいって」

と、背中を押されてしまった。ニシシ、という効果音が相応しいであろうその笑顔に押され、俺は教室を出た。


(泰正のやつ、ほんと見切り発車というか、大雑把なところあるよな)

俺は保健室へと続く廊下を歩きながら、そんなことを考えていた。

(指田先生には、昨日のお礼言いに来たってことにしよう)


「失礼しまーす」

保健室の前に着き、俺はノックをしてからそう声をかけ、そっと扉を開けた。

やはり鼻を突く消毒液の強烈な匂いに、俺は面食らった。

「お?噂をすれば…」

「ん?噂?」

「いやぁ、なんでもない!さ、中へ入りたまえよ」

非常に気になる言葉を耳にしたが、ひとまずスルーし、俺は保健室の中へ歩みを進めた。

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