肝臓

自我を取り戻そうと藻掻く他人に目を向けて

首を折った。


基本的な人権は三角の上に成り立つ不安定な抑圧であると

誰が思うのだろうか。


小手鞠の花が咲き誇る庭園で、ふと貴女を思った時

自分の涙は醜く濁る


片手には柚子の木を

片足には鎖を

自由と相対的な位置にあるものはなにか。


期限の迫った私たちの居眠りに

そっと不幸という花を添えて。


同じ夢の中で目覚めた私達が

乾き切った肝臓を移植されるのは幻なのか


全てが私に問うのだ

私とは何かと。

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