傷
遠い
貴方の未来の中に
私は十円傷のようなものを
施したのです。
塗装ごときでは消えないけれど
案外、直ぐに修繕できるような傷を
近い
貴方の過去の中に
私は包帯のようなものを
巻いたのです。
このようなものでは治らないけれど
案外、直ぐに痛みが消えるようにと。
弱者の中で渦巻く悲壮は
絡まり、穢れ、腐っていく。
無常。
無常である。
無常であった。
無常でありたかった。
無常に対する無情は
無情を憐れむ無常である。
遠くでカナリヤが泣いているのを
無視するのは人間だけだ
近くで子供が泣いているのを
無視するのは私たちだ。
笑うのも泣くのも怒るのも
全て因果か、偶然か。
前者であろうと、
私は泣かない。
後者であったならば、
私など滅びてしまえばいい。
ただそれだけの話なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます