稲妻と星々

氷室凛

稲妻と星々

秋過ぎてきみもひとりかアルタイル 


星月夜 よろしくどうぞ 地上より 


寒雷やわたしの怠惰を追い立てて 


星隠し見下ろし嗤う冬三日月 


氷盤の向こうで胸張る大樹かな 


現実コンクリ空想おおぞらくるり送りまぜ


熱を持て氷室の花やいざ咲かん 


稲妻よ私を選べと指を走らせ 


もういくつ寝ると締切じゃあオール 


カーテンを払えば微笑む有明月 


星冴えてあれがきみだよプロキオン 


シリウスやわたしのかみさま星の王 


「もう少し」きみの手握る神渡し 


十色といろ混ぜ覆う気持ちは雪景色 


のぞくたび姿を変える薄氷や 


星の雨コンクリ上も雪解けて 


振り返るいちばん長い日雪の果て 


伸ばした手空を掴めど養花天


雷鳴よきみとの思い出彼方まで 


書をさらし撫で取り飾る17字 

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