第42話

 「でも、お兄ちゃんは本当は一杯良いところがあるの?」


「どんな所よ」


「それは、ま・・じめで、やさ・・・しくて・・・」


全部今の俺には合わないな


 「全部今の、お兄ちゃんにはないようだけど」


言われてしまった。


 「お兄ちゃんはいつかまた優しいお兄ちゃんに戻るもん!!今は少し傷ついてグレただけだもん!!」


戻る気は全くないぞ。妹よ。


 「なら、私の方が良いわね。私は今の彼を認めて欲しいの」


中々すごいストーカーさんだな


 「アンタこそ、お兄ちゃんのどこが好きになったのよ!!」


「全部よ!!」


「なぁ、」


「このだらけた顔、絶妙にやる気ない顔・・・私はこうなる前から彼のことが気になっていた。なのに、中身はとっても情熱的でギャップで最高だったは、そしていつかは闇堕ちしてこうなって欲しいと願ってたら本当にこうなってくれた。最高だったわ」


「・・・なぁ!」


「クラスメイトの子に、文化祭をみんなでサボったらと提案したらまさか本当にやるなんて」


まさか、黒幕が居たとは。しかもこいつ同じ学校だったのか


 「アンタがお兄ちゃんを!」


 死んではないよ。寝転がってるだけだよ。


「いや、私だってまさか本当にするとは思ってなかったわよ」

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