第43話
ついに99層を突破した。
ボプさん達はもうこれ以上動けないのではなかろうか、と思うぐらい疲弊している。
明日は100層のボス部屋。
今のボプさん達だけでは100層を突破できるとは思えない。
エレン抜きでは考えられないが、ここで仕掛けてくるのだろうか、それとも何か想定外の方法があるのだろうか。
警戒しつつ、泉を探す事に。
少し手間取ったが、泉は見つかり急ぎ宿泊できる準備を行う。
それと共に食事の用意。
俺自身が動いている時は精霊達の助けは期待できない。
なので先ずは設備を土の精霊、じいちゃんにやってもらう。
一応安全を確認後、地面に突っ伏し、地脈と繋がる。
あっという間に建造物が出来上がり、俺は食事の用意をすべく起き上がる。
俺と地脈との繋がりが消えると、じいちゃん達は去って行く。
一応何かあれば去り際にたんまり確保した魔力を駆使し、駆け付けてくれるようだが、そんな事態にならないよう注意が必要だ。
ボプさん達は食事を終え、シャワーで汚れも落としさっさと寝てしまった。
何か文句を言われないだけましと思う事にしている。
片付けも終えさあ寝ようと思って、自分が寝る場所へ向かうと、エレンがやってきた。
流石はエレン、こういう時にも油断しないで鎧を着こんでいる。
「寝る所も申し訳ない。済まないが汚れを落としたいので少し精霊を呼び出してほしいのだ。」
ここは所謂安全地帯だが、あくまで魔物に対してだ。
人間はそんな事はお構いなしと言わんばかりに襲ってくるから、こういう時はよほど信用できるパートナーがいないと厳しい。
「ああわかった。少し待ってくれ。」
俺は自分が寝る場所でうつ伏せになり、地脈とつなげた。
じいちゃんが用意してくれたので、ここで寝ても地脈と繋がるのだ。
『エレンを護ればいいのね?折角だから覗いちゃえば?』
相変わらずのシルフさん。
『地脈切るよ?』
『ジョジョジョジョ―
今噛んだな。
『俺は寝るからエレンを頼んだ。』
一応シャワーが出来る場所はあったんだが、万が一を考えて俺がいる所でする必要があったんだな。
全てを終えた俺は寝た。
・・・・
・・・
・・
・
『こんなのを手に入れたぞい。』
じいちゃんがまた何かを持って来た。
小さな鎧だが・・・・エレンが装着しているのとよく似ているな。
『嬢が装着しておる鎧の上位互換じゃな。』
剣に続き鎧まで。
元々エレンが所持している武具はダンジョン産だったって事だな。
エレンが起きて俺の所へやってきて、鎧を見つけたが、
「これは100層を攻略後に試そう。今から装備を変更するのは危険すぎる。」
そう言った分別を持ち合わせていてよかった。
その後特に何も起こらず、起床時間を迎え、俺は身支度を整えつつ食事の準備に取り掛かった。
食事を終え、いよいよ100層へ向かい始めボス部屋の前に到着したのだが、ボプさんがやってきた。
「ヘイマンス殿、これから100層を挑むにあたり、念の為回復用のポーションを各自へ余分を持たせたい。まだ余分はあるだろうか。」
あると思うが、少しカバンの中を見ないといけないな。
時間があればじいちゃんが館へ取りに行ってくれるんだが。
「ちょっと待って下さい。探します。」
俺はこの時ボプさん達がいつもと違う事に気が付いていなかった。
エレンはエレンで鎧を品定めしていたし、恐らく見ていなかっただろう。
「頼んだぞ、今回はいつもと違い節目の階層だ。何かあるかもしれん。」
俺はカバンを調べていたので、自身の周囲に対する警戒が一瞬疎かになってしまっていた。
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