異世界転生勇者の帰還 〜 元勇者の力で妖怪怪異や荒ぶる神様までブッ倒して、学園序列トップへのし上がったっけど、ロリエルフな妹が俺のイチャモテライフを邪魔する件

ろにい

第1章 伏魔の学園入学編

プロローグ 

本日、2話投稿します。

どうか、そちらもお楽しみください。

それでは、以下本編


―――――――――――――――――


慈恩院学園じおんいんがくえん 高等部 特殊科1-A 第二席次 天霧あまぎり ユキト。

 彼の席次ナンバーズ全権をけて、挑戦者1-B 加茂かも ダイキとの決闘をり行う。

 決闘の方法は応戦者 天霧 ユキトの選択により無制限勝負とする。

 なお、重大な損傷をともなう殺傷行為は、伏魔師ふくましの名誉をもって之を固く禁ずる。

 この決闘の立会人は特殊科1-A担任 すめらぎ ソウマが行う。」


 東京都奥多摩山中に広大な敷地しきちを有する私立慈恩院学園じおんいんがくえん

 その敷地内にある修練場しゅうれんじょうに今、俺は立っている。


 ドウシテコウナッタ・・・


「良い気になるのはここまでだ天霧あまぎり野良のらまじないい師風情ふぜいが、格の違いと言うものを思い知らせてやる!

 人々を妖魔神霊ようましんれいからまもるのは、平安の時代からお務めをはたしてきた御三家と、それに連なる格式ある血筋の我々の役目だ!

 どうやって院に取り入ったか分からないが、みんなの前でその化けの皮をはがしてやる!」


 この修練場しゅうれんじょうは屋外に有るので、奥多摩の山並みが見通せて目に心地良かったのだが、加茂の悪態を聞かされるのは心地悪いな。


 それにしても、口上こうじょうが長げーよ。俺も何か言わないといかんのかな?


「本来なら、決闘は地下の闘武場とうぶじょうで行うのだがね、誰かさんが入学試験でそこを破壊こわしちゃったから、余計な注目を集めちゃうんだよね。

 さっ、始めるよ。両者下がって。」


 皇先生が面白がってるのが一目瞭然いちもくりょうぜんだよ。ニヤニヤしてるし。


「お兄ちゃん、あんなモヤシはブッコロなのです!」

「「お兄さん、がんばれー!」」


 あー、屋外の修練場なので、中等部のスズネ達までギャラリーにいるよ。でも妹よ、殺すのはNGだからな。


「始め!」


 皇先生の開始の合図と同時に加茂はブレザーの胸元から呪符じゅふを取り出し、俺に向かっ投げながら印を結んで呪符に命じた。


「盟約によりい出でよ高雄たかお愛宕あたご怨敵おんてきを打ち滅ぼせ!」


 投げられた呪符から現れたのは二枚の新しいふすまだった。


「ほう、これは加茂流の野襖のぶすまだね。高知県の妖魔だ。

 でも、どうして高雄と愛宕の名を付けたんだい?なんかの山つながりかな?」


 皇先生が、決闘の雰囲気に相応ふさわしくない口調で質問した。


「おい、加茂!なんで襖絵ふすまえが『戦艦娘』の萌え絵なんだよ!だからスズネにイタキモがられるんだ!得意の格式とやらはどこ行った!」


「黙れ!黙れ!これだがら出自不明しゅつじふめい下賎げせんな血の野良は困るんだ。

 伝統と現代大衆アートのコラボレーション!いや、マリアージュの素晴らしさが分からんとはな。」


 そんなこと言ってる間に、高雄ちゃんと愛宕ちゃんが俺の両脇からはさみこもうとせまってくる。しかも、正面からは木刀を構えた加茂が突進して来た。


是非ぜひもなし。」


 皇先生がしたり顔でうなずいている。


「おいそこ!納得してんな!」


「決闘中によそ見をするとはれ者がー!」


 艦むs・・・ゲフンゲフン、野襖のぶすまが手を伸ばせば届く距離まで迫り、正面の加茂が必殺の間合いで木刀を振り下ろそうとする。


バン!

キャー!


 高雄姉妹の野襖のぶすまちゃん達は、突然俺が消えたせいで鉢合はちあわせにぶつかって可愛い悲鳴を上げた。

 高雄型は可愛いからなぁ・・・ゲフンゲフン


「何だ・と・・・」


 加茂の振り下ろした木刀が空を切り、戸惑っている加茂の背後ろからヤツの首筋に木刀を当てて言った。


「勝負ありだ。加茂。負けを認めろ。」


「くっ、俺の負けだ・・・」


「おい、加茂が負けたぞ!」

「まさか!お前あれがみえたか?」

「うそっ!今消えてなかった?彼。」


 『流水』も使わず普通の足運びで移動しただけだが、ギャラリーたちにも俺が突然消えたように見えたのだろう。


 だが、俺に後ろを取られた加茂は、素直に負けを認めた。

 うん、そのいさぎよさはめてつかわそう!かもくん。


「これが本物のクッコロなのですね!」

「「スズちゃんのお兄さん、カッコいいね〜」」


 いや、違うから。スズネ。

 それより、スズネの周りの可愛い女の子たちが、目をキラキラさせて俺を見ているし。

 こっちの方が、加茂に勝つよりも何倍も嬉しいもんだな。


「素晴らし!」


 プライドの高い加茂が、素直に勝負の負けを認めたことを称えるなんて、皇先生って生徒思いなんだなあと、テレるのをかくしつつ皇先生の方へ顔を向けると・・・


「おい!教師がそれで良いのか!」


 皇先生がスマホで野襖の萌え絵を撮影していたよ。高尾ちゃんサイコー!とか、愛宕ちゃん可愛いー!とか叫びながら・・・


「どうやら、進む学校間違えたみたいだな・・・」


 決闘のギャラリーの内、男共の大半が皇先生に続いて『戦艦娘』たちを撮影している。

 キチンと整列して、大人しく順番に撮影しているよ。良く統率しつけされてるなお前ら・・・


「この決闘で名を上げたのは、イタキモの方なのです・・・ヨヨヨ・・・」


◇◇◇


御曹子おんぞうし、決闘は天霧あまぎり ユキトが勝ちました。予想したとおりになりましたね。」


 学園敷地内の一角にある茶室で、御曹子と呼ばれた学生が、茶をてている。

 二人とも制服から見て3年生だ。


「平安の陰陽師おんみょうじにつながる血筋とは言え、今の加茂家に突出した伏魔師ふくましはいないからね。」


 そう言って、御曹子は点てたお茶をもう一人の学生の前に置いた。


「突出した才能がなくても、加茂は新入生ながら肆級伏魔師よんきゅうふくましの実力をすでに持っております。」


「つまり、そう言う事だね。」


「では、まさかあのウワサは本当だと?」


「ああ、そうだよ。御三家の当主クラスが三人がかりで維持展開いじてんかいしている地下闘武場とうぶじょうをその結界ごと破壊したのは、天霧 ユキトで間違いない。

 どうだい、面白そうだろ?」


「となれば、天霧の実力はもっと上。加茂相手でも力を隠していたと言うことですか。」


「恐らくは壹級伏魔師いっきゅうふくましかそれ以上・・・」


「それではマサオミ様と同格ではありませんか!有り得ません!」


「それはおいおい分かって行くさ。」


 そう言って、マサオミと呼ばれた学生は茶室を出ていった。



*****告 知*****

新作短編投稿始めました。


【ダンジョン部物語】

親子の夢をひたむきに追いかける物語です。


https://kakuyomu.jp/works/16816927862407959471


*************


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