嫌われアヤコの一生
恭梨 光
第1話 可愛くてごめん
自分で言うのもなんだけど私は可愛い!
スタイルも自信がある!
でも、なぜだろう……男運が悪いのよね。
昔から私はモテた。
すると当然ながら女子から嫌われるのがデフォルトなのよ。
男に媚びてるとか
金かけりゃ当たり前だとか……
そりゃ性格だってキツくなるってもんよ。
じゃあ男子に囲まれて幸せか?っていうと正直そうでも無いのよね。
最初こそ綺麗だ、可愛いなんてチヤホヤしてくるけど、実家の資産知ると一気にコジコジしてくるのよ。
だから結局、別れちゃうんだけど……
妬み女どもも、ダメンズも最後の捨て台詞は決まってるのよ。
【変な名前のクセに】って。やかましいわ!
私の名前は奇子。
よく『キコさん?』って聞かれるけど、これで【アヤコ】と読むのよね。
嘘だと思うならスマホで変換してみなさい?
ちゃんと出てくるから。
娘に奇妙の奇の字つけるなんて、どんな毒親なの?なんて同情しないでちょうだい。
これには深い事情があるのよ。
私はとある大手企業の社長の娘。と言っても決して成金って訳じゃないわ。過去には爵位も持ってる位の家柄って言ったらなんとなく分かるかしら?
世界を相手の企業だから、海外の要人との政略結婚も多くて、私自身色んな国の血が混ざっててね〜アラブの油売りの元締めの娘とか某国の将軍の娘とかね。
ご多分にもれず私のママもイランの元王族の血筋なんだけど…
ねぇ【おしん】ってドラマを知ってる人はいるかしら?
かなり古いドラマなんだけど、イランじゃ90%越えの視聴率なのよ。その時の主演子役が【綾子】だったのよ。
だからママはそこから私に綾子ってつけたかったみたいだけど…出生届を使用人に行かせたのが失敗だったわね。
早い話、その使用人が綾子を奇子って出しちゃったのよ。
その使用人がなんでそんな事したかって?
そんなのパパと出来てたからに決まってるでしょ!
パパは名前の漢字が違う事にすぐに気づいたけど、使用人との関係がバレると困るでしょうし、幸いな事にママは漢字読めないからね〜
そんなこんなで私は奇子って名前を享受せざるを得なかったってワケ。
まぁ名前は仕方なかったけど、もっと厄介な事があるのよ。
それは政略結婚って問題。
我が家は当然兄が継ぐから、私はいつかそれなりの立場の相手の所へ嫁ぐか、あるいは自力で生きていくしか道は無いのよ。
とりあえず親のコネを最大に利用して、それなりの企業に就職は出来たけど…親がそれで納得すると思う?
とにかく実家暮らしで親からの援助も潤沢な今のウチになんとかしなきゃ…
実家を出る期限の30歳まであと1年って時に、暇つぶしに開いたマンガサイトで私は見つけたのだ。
私と同じ【奇子(あやこ)】って本に………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます