第3話 情報過多の今こそ、問われるべきこと
元南海ホークス監督の野村克也氏が選手引退時に、
「20代の体力に、40代の知恵があったら・・・」
という趣旨のことをおっしゃったという話をどこかで読んだ記憶がある。
この言葉を私は、我がこととして痛感する。
それができていたら、もっと多くの人を救えたのではないだろうか?
文章を通じて、もっと多くの人に発信できたのではないだろうか?
そんなことばかり考えてしまう。
もちろんそれは今となっては後戻りできないことではあるのだが、そうであるがゆえに、悔いばかりが常に心をよぎる。最後の最後に、愚痴のような終わり方で申し訳ないが、これが私自身の「人生50年」の総括である。
幸いなことに、医療の発達に加え食糧事情や居住事情のさらなる向上、それに伴う平均寿命の長期化により、人生50年で終りというわけでもなくなった。
どうやら私も、この世でしばらくの間生きていけそうだ。
幸い、年齢相応に元気に生きていける程度の健康は保てている。
本稿をきっかけに、まずは私自身が、これまで以上に世の人々のために何ができるかを真剣に問い返し、こういった形での、文章を通じて人々のお役に立てるよう頑張っていきたいと思っている。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
これからも間違いなく、社会は大きく変化していく。これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、当たり前でなかったことが当たり前になっていく。
そんな事象があちこちで、個人にも組織にも、そして社会でも発生していく。
その波に飲まれた人や飲まれそうになっている人を救っていく人が一人でも多く出て活躍していくことによって、社会はさらにより良いものとなっていくのだ。
1980年代、大検が社会に大きく認知され、それによってたくさんの若者が救われるきっかけを得られたように。
そこには、的確な情報を世に伝え、一人でも多くの悩める若者を救おうという意識があり、精神をもった人がいた。
自ら情報を得て活用し、道を開いていった若者がいた。
インターネットが発達した今日においても、その意識と精神は決して忘れ去られるべきではない。
情報過多時代の今こそ、その意識と精神を真剣に問うべきではないだろうか。
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