part Aki 5/13 am 6:17
駅のホームについてから ――藤浜16時 こんのさん―― スマホのスケジューラーに予定を書き込む。〈初デート〉って入れようかと 一瞬思ったけど 止めておく。見られたらヤバいし。それに 本物の奇跡が起こって 本当の〈初デート〉があるかもしれないし…。
……いや。 無いな…。それでも…さ。
スマホから顔を上げると こんのさんが聞いてきた。
「あのさ あきちゃん。部活禁止期間って 聖歌隊も休みだよね? 何時の電車乗るの?」
「あー アタシですか? 来週も火曜礼拝あるんで 聖歌隊の声出しあるんです。なんで アタシ いつも通り6時23分の快速に乗らなきゃなんです…」
それまで ニコニコしていた こんのさんの表情が 突然 曇る。
「えっ そうなんだ…。あたし 朝練 無いし けっこうゆっくりでも いいんだよね…。そっか… 一緒に行けないのか……」
こんのさんの不安そうな表情見てると まだまだ 一人で電車乗るのは怖いのかな…? なんだか 申し訳ない気持ちになる…。…何かいい方法は 無いかな? 声出し サボろうかな? でも 聖歌隊はサボリたくないしな。なっちゃん困るだろうし。それに サボったところで いいとこ20分。電車1本分くらいしか 遅らせられないし。そもそも学校が遠いってゆーのが 最大の問題なんだよな…。
……そんなこと 考えていたら こんのさんの顔がパッと輝いた。ホント表情がクルクル変わって 可愛いし 面白い。きっといいアイデアが浮かんだに 違いなかった。
「あきちゃん あたし やっぱ いつもの電車で行く。早めに行って 学校で勉強することにするよ。どーせ 朝 ゆっくりできても 寝てるだけだし。それなら あきちゃんと一緒にいる方が安心できるし… それに 楽しいしさ」
それって ボクと一緒にいるのが楽しいって意味だよね? ホントに こんなに幸せでいいんだろうか?
それとも やっぱり 夢見てるんだろうか…?
………。
……。
…。
to be continued in “part Kon 5/16 am 2:17”
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