第9話 食べる前に



「まあ、素敵!」



 テーブルへお母様と一緒に行くと、お母様は喜んでくださったわ!


 すっごく、笑顔!


 それだけ、あたし達が頑張って作ったサンドイッチが美味しそうだからかも。


 あたしも早く食べたい!



「……本当に素晴らしいな?」



 伯父様をコテンパンにしちゃったお父様も、サンドイッチを見てくださったわ。


 伯父様の方は、顔ぼこぼこでお縄でぐるぐる巻きになってたけど。誰も助けないのは、いつものことだからいいの。



「食べましょう!!」



 あたしが言うと、お父様達もうんって言ってくださった。


 おんなじくらいに、伯父様が自分でお縄を抜けて……顔のケガも魔法で治しちゃったわ。食いしん坊な伯父様だもの。



「俺も手伝ったんだから、食べるんだぞ!!」


「……懲りてないな? 手伝ったのなら、いいが」


「俺以上の食いしん坊の癖して!! へぶ!?」


「……王への自覚がないのか、お前は?」



 お父様つよぉい。


 今度はお顔つかんで、つぶす勢いだわ。サリー姉は嬉しそうだったけど。


 それもすぐに終わっちゃったけどね?



「ふふ。待ちきれないのも無理ないですよ? いただきましょう、旦那様」


「……そうだな」



 んで、お母様にはあまーいのよね?


 ずっと、ずーっとらぶらぶなんだから。


 お母様は綺麗で可愛いもの。あたしもいつか、ああなれるかしら?



「「いたーだきます!!」」



 あたしとサリー姉がおんなじくらいに言って、お母様達も手を合わせたら。


 扉の方から、ものすっごい音がしたわ!?



「チーちゃぁん!! 美味しいものの予感がしたわん!!」



 びっくりしたけど、開けた人と声を聞けば……『ああ』って思ったわ。


 お母様の親友で、ミラクルのお父様の……マックス様よ。男の人なのに、女の人のような話し方するのよね?



「あら、マックスさん?」


「んふふ〜? 勢揃いじゃなぁい? なーにしてんの?」



 お父様はかっこいいだけじゃなく、綺麗なんだけど。


 マックス様はかっこいいのに……話し方で残念な感じになるのよね? 慣れたけど。



「……ち、ちうえ」


「あら? ミラクルここにいたの?」


「マックス様! サリー姉とミラクルと一緒にパン作ったの!!」


「あら〜? シェトラスに教えてもらったの?」


「ううん! あたしにも異能ギフト出来たの!!」


「……えぇ??」



 びっくりもびっくりよね?


 あたしだって、びっくりしたもん!!



「マックスさん、あなたも是非食べて? きっと美味しいわ」


「……チーちゃんと同じ異能なの?」


「ちょっと違うみたい」



 とりあえず、マックス様も席について。


 あたし達は改めて、いただきますをしたわ!!

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