第三話 突然の訪問者

ある晴れた朝、喫茶店の店内に不穏な気配が漂い始めていた。明日香は、店内を見回していた際、急に震えた。そこには、見たこともない男性が一人、恐ろしい表情で店の入り口に立っていたのである。


何か起こるかもしれない高鳴る鼓動を必死に抑える明日香に、男性は

「ここにいる」とだけ言っただけだった。彼は、店内に入り込んでただ、呆然としている。いや、呆然としているのは、明日香の方かもしれない。明日香は、彼が何者なのだろうかと不安を感じていたが、その不安を堪えながら、接客した。その男性は一人で、仲間はいなかった。ただ、探し物があると言うので、仕方なく、明日香は店内を探し回ったが、見つかるわけもなかった。ただ、恐怖心から探してやっている明日香だった。


すると、その男性は店を出ようしたが、一人の女性に声をかけられた。その女性は彼に何かを手渡し、喫茶店から出ていった。すると、男性の表情が、一変していたのである。


明日香たち三人は、その光景を一部始終見ていたが、何が起きたのか理解できなかった。その男性が彼女からもらったものは、探していたものであったことがわかった。明日香に感謝の意を伝え、その男性は店をでた。


あの男性が気になって仕方の無かった明日香は、検索したり、様々な情報をインターネットから得ていた。すると、あの彼は人探しの探偵だったことがわかったのである。彼が探していた女性は、ある事件に巻き込まれ、失踪していた人物であり、彼女の身を心配していた男性が、あの探偵を雇った。そして、どういうわけか、明日香のアルバイトをしている喫茶店に入り込んだというわけだった。


その失踪した事件とは、誰が失踪したのか、なぜ、この喫茶店に探偵が来たのか、事件と喫茶店との関係は?謎は深まるばかりであった。

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