女の子と旅をしたときの話

元橋ヒロミ

旅人 編

最初の街

第1話 それはいきなり始まったのです。

 このお話を、どこから始めたら、わかってもらえるか考えました。

 でも、いくら考えてもわかりません。

 なぜのかを、まずために、とにかく書いてみようと思います。


 気がつくと、わたしは女の子に怒られていました。

 朝、起きたときみたいに、目の前がパッと明るくなったら、目の前に女の子がいたのです。

 年は5.6才くらいでしょうか?

 とても怒っていました。

「だから言ったのに!」

 なにをのかわかりませんが、わたしは「ごめんなさい」と女の子に言いました。

 わたしは大人です。

 大人が子供にあやまるのは、ヘンに見えるかもしれませんが、悪いことをしたのなら、あやまらなければいけません。

 でも、わたしは何をしたのでしょう?

 なにか、大変なことをしたような気もするのですが、思い出せません。

「いいかげん立ったら?」

 そう女の子に言われて、わたしは地べたに尻もちをついていることを知りました。

 はずかしくて、あわてて立ちあがると、お尻のホコリをはらいます。

 そのとき初めて辺りを見て、そこが屋根の上だと気づいたのでした。


 赤いレンガの屋根に、わたしは立っていました。一歩うしろへ下がると、まっ逆さまになっていたでしょう。

 屋根の上から、ずっと下のほうに石ダタミが見えます。

「なんで、こんなところにいるのかしら?」

「おちてきたからよ」

 女の子は答えると、さっさと家の中へと行ってしまいました。

 わたしは、あわてて女の子のあとを追いかけます。


 わたしが家の中へ戻る(?)と、女の子は少し大きなカバンを、肩へかけていました。

「どこへ行くの?」

 わたしが聞くと、女の子は「おかあさんとの」と言ったのでした。

 ヘンですよね?

『おかあさんに

 ならわかります。けれど、女の子が言ったのは、違っていました。

『おかあさんとの』です。

「おかあさんは、家にいないの?」

 わたしが言うと、女の子はギロリとにらみました。

 どうやら、わたしは女の子の『おかあさん』について知っているようです。

 なにも思い出せないのですが。


 女の子は、はらを立てて足をドンドンと強く踏みならしながら、部屋をでていってしまいました。

 どうしたら良いのかわからず、わたしはその後をついていきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る