幼馴染はvtuber、俺はクラスメイトに身バレしているvtuber

haryu

プロローグ

1話 一話目は一話目なのです!

『それじゃあ、配信終わるよ。おつ葉。』



【コメント】

:おつ葉


:おつー


:おつ葉ー




本当、いつになっても慣れないな、幼馴染の声が画面の向こうからするのは。


彼女は秋雨落葉、本名姫川花音クラスでの呼び名は姫だ、姫川だからな。




ピロンとスマホが鳴った。おそらく俺の活動を知っているVオタ仲間からだろう。




白駒『落葉の配信いいよな。』




琥珀『そうだな。』




『本当、まだ半年なのに80万人ってすごいよな流石企業勢だぜ、俺は高校入学したての頃だから1年前に従姉にイラストも描いてやる、PCも買ってやる、だからvtuberをやってくれって言われて始めたのにまだ50万人だもんな。』




弘人『黙れ、というほどでもないか。お前は控えめだけど個人勢の成功例だもんな。』




『いやー。母親(ライV社長)の提案断っておいてよかった。』




白駒『は?あそこに呼ばれたのかよ、お前。なんで断ったんだ?』




『いや、女性ライバーか炎上しない男の娘くらいしかいないぞあそこ。炎上するわ。』




琥珀『そうだな。俺だったら燃やしてる。』




『な?』




琥珀『だから拡散してやる。冗談だけど。』




『そろそろ飯の用意しないといけないから。それじゃ。』




弘人『いいよな。四大女王のうち一人の姫川の幼馴染だなんて。』




さて、今日はどういう風にあいつをからかうか。いや、偶にはなくてもいいか。


母さんは仕事だし親父はまぁ、たまにしか帰ってこないから。


母さんはたまに少女とか連れ込んでくるから、多分同業者ライバーなんだろうけど。


どのみち母さんは夜遅くに帰ってきて朝早くに出ていくからまぁまぁ広い家に俺一人なんだよね。


いや、偶にすべての元凶の従姉がイラストの気分転換のために来るし、毎日隣に住む幼馴染が飯食いに来るだけだからな。




因みに従姉ねえさんと俺は姫にバレちゃいけないので必死に隠している。




ピンポーンとインターホンが鳴るおそらく隣に住む幼馴染が押しに来たのだろう。よし、今日は暴露と行こう。




そういえば、いつも思うけど何でインターホンをわざわざ押すんだろ、どうせ合鍵で入ってくるのに。




「こんばんは、瑠偉君。晩御飯の用意は「できてるよ」よかった。」




いつも通り、何事もないかのように彼女は俺に話しかけてくる。




「「いただきます。」」




さて、問い質そうじゃないか俺の仮説が本当かどうか。




「そういえば、花音ってさvtuberやっているでしょ。」




カシャーンと彼女の手からスプーンが落ちる音が聞こえる、やはり図星か。


たしか、彼女、いいや秋雨落葉の推しって如月紅羽雅だとか言ってたような、まぁ、言わなくていいだろう俺のネット上での名前なんて、現にVオタメンバーにも緘口令は敷いてあるからな。




「え、え、なんでそれを知って。」


「やっぱりか、何年間お前の声を聞いてきていると思っているんだよ。地声だとすぐにばれるぞ。」


「そう言うってことは私が何名義で活動しているかも知っているのよね?」


「勿論、秋雨落葉でしょ?」


「はぁ、そこまで知っているのね。誰にも言わないでよ、言ったら一日中デートに付き合ってもらうからね。」


「それくらい何時でも付き合ってあげるって。」




などと、結局いつも通りに彼女は俺にデートを誘ってくる、だけど残念。俺が学校で問い詰められるから俺は最近彼女と遊ぶのをやめていた、どうせついて言っても大須だしね。この近くのオタクが心置きなく遊べるところと言ったらね。正直、今住んでるところから大須まで早くても45分くらいかかるから、平日の学校終わりに行ける所じゃないんだよね。




明日は土曜日かどうしようかな。




「ねえ、土曜日にライVの東海支社に行かない。」


「行っていいなら行くよ。」


「じゃあ確定ね。」




こうして、週末の予定は埋まったのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る