小学5年生で大阪に
あやめっちも小学4年生。
イレーヌちゃんとはオルセー美術館によく行っている。
ふたりともヴィーナス誕生の絵を大好きやから。
ふたりで、ずーっとヴィーナスの絵を観ている。
「このヴィーナスさん、イレーヌちゃんにめっちゃ似てるわー」
って言うと、イレーヌちゃんもめっちゃ喜ぶ。
「いつか、イレーヌちゃんをモデルにして、こんな可愛いヴィーナスさんの絵を描いてみたいなー」
って、あやめっちはいつもイレーヌちゃんに言ってる。
「ぜったい描いてなー」
ってイレーヌちゃんも、あやめっちに抱きつきながら言ってる。
「でも、あやめっちも、この絵のヴィーナスさんに似てるわ~!ヴィーナスさんにそっくりやわ~!モデルはあやめっちなん?」
「そうなん?」
☆☆☆☆☆
小学5年生になる時、あやめっちはパリから大阪の小学校に転校することになった。
大阪に引っ越すことになって、イレーヌちゃんも、めっちゃさびしがった。
「うちも、そのうち大阪に会いに行くからなー」
ってイレーヌちゃん。
「うんっ!ぜったい来てやー!待ってるでー」
☆☆☆☆☆
あやめっちは、ちっちゃい頃から女の子みたい。パリに住んでた幼稚園から小学生の頃もずっと。
小学5年生になる今も。
イレーヌちゃんといっしょにいても、仲良しの女の子の友達どうしのように、パリの街のまわりの人たちからも思われていた。
☆☆☆☆☆
転校初日、パリから来たって言ったら、クラスのみんな、面白そうに話を聞いてくれた。
「パリのどの辺に住んでたん?」
「パリって、どんなとこ?」
って、特に女子に聞かれた。
あやめっちのことは、みんな女子のように思っている。
初日から、クラス中でパリの話で盛り上がって特に美羽ちゃん優奈ちゃんのふたりは、めっちゃあやめっちのそばに来て、ずーっとパリの話をしていた。
美羽ちゃんの実家は呉服屋さん。
駅前の商店街にお店ある。
優奈ちゃんはクラシックバレエをやっている。
美羽ちゃん、優奈ちゃんとは、それから、ずーっと仲良し。呉服屋さんとバレエってところも、雰囲気的にパリと何か似てる感じもあったりする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます