第65話

「ハッ ハッ・・・」


肩で、息をしながら 廃ビルに

入っていく、マグヤネン


「ハァハァ

まいったなー」


ここにきて、カフェでの

爆発の、ダメージが 出てきて

だいぶ、体力が 削れていく 多香緒


「もう少しだ

がんばろー」


多香緒を、元気付ける ギフ


「ギフさんは ハァハァ

元気ですね」


息が、全く切れてないので 感心する

多香緒


「そう見える?

ありがと」


「はい

顔色は ともかくとして」


顔の色は、少し青みかかった白だ。

おそらく、メイクによるものだろう。


「フフ

よーし マグヤネンを

打ち取ろう !!」


ニコッと笑い、右手をつき上げる ギフ


「ハァハァ

うん そうだね

ヤろう」


マグヤネンが、逃げこんだ 廃ビルの

前まで、さしかかると


「ちょっと 待って !!」


二人の 女が、背後から声をかける。


「かななんさんと・・・

ねるなのさん!」


多香緒には、見覚えがあったが

なぜ、ねるなのが居るのか

理解が、追い付かない。


「あなたたちは

ステインヤンを 狙っていたでしょ

なんで 狙いを 変えたの??」


ストレートに、疑問をぶつける

かななん


「変えてないよ

最初から マグヤネンだよ」


安達太良に、情報を漏らすなよと

クギを、刺されていた。


「ウソ!!

そんなはずは・・・」


「その為に カフェで

待ち構えてたんだよ

そしたら 正体不明の

ドローンが・・・」


多香緒が、そう言いかけると


「それ

わたしの ドローンなの

かななんが 新しいの 買って

あげるから使わせてって」


不意に、秘密を暴露する

ねるなの

まさか、爆弾を 仕込まれていた

なんて、知らされていなかった。

当然、機体を調べれば ねるなのに

容疑が、かかる。


「ちょっと 今 言わないでよ」


あわてて、クチを塞ぐ かななん


「えっ

あんな雑なヤリ方 プロじゃあ

ないと思っていたら

あなたたちなの??」


ショックを受ける 多香緒


「ごめん」


あやまる かななん


「いや 現場を見た?

すごいことに なったけど

マグヤネンは無事だったよ !!」


惨状を語る 多香緒


「多香緒ちゃんの あとを

ついてきたから 現場は

見てないけど・・・」


爆発と同時に、カメラ映像も

切れたので、確認できていない。

ちょうど、多香緒がカフェから

出て来たので、尾行した。


「あたしも ビショップが

いなかったら 死んでたわ!!」


タイミングが、あと数秒ズレていたら

確実に、なくなっていた。


「そう ごめんね

ビショップさんって

頼れる人なんだね」


「うん

本当の お母さん みたいな人だよ

って 言っても 若いけどね」


ニコッと、笑う 多香緒


「そうなんだ

後で 会わせてよ

その人にも あやまらなくちゃ」


苦笑いする かななん


「うん

あたしは これから マグヤネンを

狩るよ

あなたは??」


かななんに、行動を聞く 多香緒

事前に、確認するチャンスが

あったなと、後悔する。


「・・・うん

今回は 手を引く

なんだか 迷惑かけちゃったし」


潔い かななん


「そう・・・

ここで マグヤネンが

出て来たら 足止めして

くれる??」


ハンター同士の話しをする。


「わかった

でも 早く出て来ないと

先に 収穫しちゃうからね」


ニヤリと笑い、ウインクっぽいのを

する かななん


「うん

よし 行こう」


「オウ」


3人で、廃ビルに 突入する。


キーッ

バターーーン


多香緒たちの、ドアの開閉音が

薄暗い ビルの内部へ 響く。


「手分けして 探そうか」


提案する 多香緒


「そうだな」


「オウ」


「あたしと ギフは 上の階へ行くから

一階を お願いします」


現地メンバーに、1人で行くように

言う 多香緒


「オウ

まかせロ」


それぞれ、探し始める。


カツッ

カツッ


「二階は

とりあえず 大丈夫ね

上に行こう」


「そうね」


このフロアには、誰も居ない。

大量のプラスチックケースがあり

生臭い。


「一階も 地下室も

いなかったぞ」


ちょうど、踊り場で 現地メンバーが

上がって来る。


「それじゃあ 四階を

お願いします

あたしたち 三階を 見るので」


「オウ」


タッタッタッ・・・


階段を、駆け上がって行く 現地メンバー。


「行きましょ」


「おう」


カツッ カツッ


「ギフさんって最初

あたしの顔を見て ビックリ

してませんでした??」


「ああ

探している妹に ソックリだったから」


「そうなんだね

妹さんは・・・」


ガタッ


わずかに、物音が聞こえる。


「ヤツがいる」


警戒する ギフ


「そうね

どこだ」


スマートフォンの、ライトで 照らす

多香緒


「・・・ッ」


タッタッタッ


「後ろだ

逃げていく」


多香緒たちが、通りすぎたのを

見計らって、走り去る。


「待てーッ」


「ヒィ」


「上だ

おーい そっち行ったぞ」


階段を、登る マグヤネン

挟み撃ちを、狙える チャンスだ。


「オウ

まかせロ」


ドスッ


階段の上から、捕まえようと両手を

ふりかぶった 現地メンバーだったが


「わァ」


ガタタタタ


逆に、ベルトを掴まれ 階段を

転げ落ちる。

マグヤネンは、そのまま上へ逃げて

行く。


「ちょっと 大丈夫?

早く起きて !!」


引っ張り起こす 多香緒


「オウ」


ほぼ無傷。


「上だ

もっと上の階へ 行ったぞ」

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