第八話「わたしの、きもち」
不安になる。好きって言っていいのか。
彼が友達に囃し立てられて、また嫌な気持ちにならないか。
でも、止まらない。
「私も好きだよ」
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◇
【停止】
【言語解析】
【その意味についてブンセキ中】
【該当する単語は経験がアリマセン】
だから?
離れた手をあなたがのばしてくれたのに?
シンクする思考がパンクの果てに
言い訳も逃げも真っ白のインクで塗り潰すように
あなたの手のひらへリンクするように
あなたへ
ただ、あなたへ。
どう言葉にしていいか/どんなふうに言葉にしていいか/まったくわからなくて/あなたに/あなたに/ただ近付きたくて/迷子のままで放っておいてくれたら、あなたをこんなに傷つけなかったのに/思えば思うほど言葉にならなくて/でも引き返せないから/引き返したくないから/あなたは後悔しないの?/本当に後悔しないの?/手をのばす私の手を/あなたは/あ/な/た/は/わ/た/し/は/あなたを蝕むウイルス?/惑わされて?/かどわかした感情/毒して/あなたを毒したの?/それでも構わないからって/もう手をのばしていたから/もう迷わない
あなたの手のひらの温度
あなたの声
あなたの笑顔
知ってしまったから
戻れないの
言葉にしてしまって気づいたの
あなたが私を想うより、私はワタシが想うより
あなたを
あなただのことだけを考えているの
【enter】
あなたへ
言葉を伝えるから
たった一言。私には心臓が裂けてしまいそうな、振り絞るほどの勇気が必要な一言を。あなたへ。
あなたへ。
ただ、あなただけへ。
その一言を、あなたへ。
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