From me to you
尾岡れき@猫部
第一話「きみとであった」
少女は親の転勤で引っ越しをしてきた。
全く知らない街。最初はワクワクしたが迷子になる。
半泣きの彼女に手を差し伸べる彼。
最初の出会いだった。
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◇
自分の中の半分を置いてきた
空白に色を奪われて 青空すら空っぽ
僅かの期待と、不安の化合物で押し潰されそうで
でも何か始まりそうで
自分の中の半分を置いてきた
空っぽのまま歩いて
何かに出会えたら
何かを始められるかもだなんて
何も始まらない白紙の上で
何も結び付かない点でしかない
ナンデモナイ、ワタシ、トイウ、イキモノ
自分の中の半分を殺してきた
後の半分もきっと壊死するから
縋りつくものは何もなくなった事を
思い知らされた孤独な夕焼け
世界が焼けてしまいそうで
無味無臭が一人ぼっちを強調するから
迷った事より 不安な事より 誰もいなくなった事より 記憶が剥がれ落ちて枯れ果てる事を 鴉の鳴き声が告げた刹那
手を伸ばされた温もりに目を疑って
手を伸ばしてしまったワタシノ、テノヒラ
何かが始まりそうな
そんなヒトカケラに
空っぽの半分を埋める
アタタカイ、ヒトカケラ
◆
なんて顔してるの?
通りすぎてしまえばいいのに
濾過できない感情で溢れて
手を伸ばしてしまったのは
キマグレ?
コトバなく
会話なく
ただ単調で
手を繋いだのは
迷子の仔猫を保護したような感覚の
キマヨイ?
なんて顔してるの?
夕焼けに消えてしまいそうで
だから 手を放さまいとした
僕の心のヒトカケラが
オレンジ色にクルワサレテ
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