キミが死ぬだけの異世界奇譚
兎蛍
プロローグ
彼は始めて桜の森の満開の下に
桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。
『桜の森の満開の下』坂口安吾
「桜の樹の下には死体が埋まっている」
いつも朗らかな態度でいるくせに、そいつは急に真面目な顔して文豪みたいなことを言い出すから、こっちまで真剣に返しそうになった。
「急に何だよ」
「あいつは、いつか本性を現すよ」
「誰のこと?」
僕の質問にひとつも答えず、学校の非常階段の手すりにもたれかかって、そいつは遠くにある
そいつはまた変なことを言う。
「お前は埋まるなよ」
「だから何の話だって」
振り返ると、そこに立っていた唯一の友人はもういなくなっていた。昼休みが終わるチャイムが鳴る。自分が呼び出したくせに、と悪態を心の中でつきながら開きっぱなしのドアをくぐった。
数ヶ月後、同じクラスで3人の死者が出た。
さて、この物語に出てくる旅の仲間は僕以外、ずっと何かを演じていた。
全て知った時、僕は本格的に人生に絶望した。
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