第155話 桜祭りの日にキスした(陽菜視点)

 みんなが来てくれたのが午後1時くらいだったのでまずはリビングへ。みおちゃんが私の部屋にカメラを仕掛けに行きたがっているが、今日は恭介くんは出掛けていて今はいないというと少し落ち着いた。


 私がなんで恭介くんのお出かけを知っているかというと朝のランニングの時間に今日のスケジュールを聞き出したからだ。

 出ていくところを覗いてたわけじゃないよ。本当だよ。


 今日の午後は水泳部の皆でプール掃除をするらしい。うちの高校のプールにはボイラーがついていて4月になったら温水で泳ぐことが出来るらしいのだ。なので3月の最後の部活は毎年プール掃除なんだって。だから夕方まで帰ってこない。


 私達の小さい頃のアルバムを見ながらみんなが好き勝手なことを言っている。

 ちなみに私も実はあんまり見たことがなかったので新鮮な気分。小さい頃はこっちの世界の多々良くんとこっちのヒナも仲良かったんだなぁ。

 途中から多々良くんが泣いてる写真が多くなってくる。ここまでヒナにひどい目にあわされて今の私に優しくしてくれる恭介くんは本当に凄い。


 ちなみにみんなが来るから午前中に恭介くんのおちんちんのアルバムと私の日記は全部私の部屋から持ち出して別の部屋の押し入れに入れて隠してある。

 あの日記を見られたら私の恋心が全部バレちゃうだけじゃなくて私がこの世界の女の子じゃないことがバレちゃうから。

 おちんちんのアルバムは恭介くんの名誉のためにみんなには見せないことにした。独占欲とかじゃないから。違うから勘違いしちゃダメだよ。


 春休みじゃなかったら宿題があるからみんなで持ち寄って勉強会もいいんだろうけど、課題の少ない春休みだからこそみんなでいろいろと話をして尽きることがなさそう。

 お母さんがジュースを出してくれたりお菓子を出してくれたりみんなが楽しく過ごせるようにいろいろとしてくれる。

 ちょっとエッチなところがあるお母さんだけど本当に優しくてやっぱり大好きだ。


 そんな風に普通に雑談していたらいきなりまるちゃんがぶっこんできた。

「そういえばきょーちんと桜祭りの日にキスしたんだよ。まるの初ちゅーだったんだよ」


 ガタガタガタガタ!


 みんなが座っていた食卓の椅子がすごい音を立ててる。

 私は私で自分のファーストキスを思い出して真っ赤になってしまう。マズイ。誰かに気付かれちゃうかも。

 私もお祭りの日にキスをしている。寝ている恭介君相手にほっぺだけど。


 私以外の三人の声が重なった。

「「「その話、もっと詳しく」」」

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 7/8,9は1日5話特別公開

 6,9,12,15,18時の1日5話更新となります

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