第74話 恭ちゃんはこういうお姉ちゃんは嫌い?
これからの陽菜との間の呼び方が変わることになったのは地味に嬉しかった。
俺のほうはほぼ物心ついたときから陽菜のことを呼び捨てしていたし、こっちの世界に来てから姫川さんって呼ぶのは他人行儀であまり好きではなかったからだ。
「恭介くん」呼びは慣れなくてドキドキしそうだけど、好きな子から名前で呼んで貰えるのは悪くない、むしろイイ!!
「えっと……一応恭介くんから手紙のことで話があるってお母さんには連絡入れてるし、家にいるって返事が来てたからいると思うけど。」
そう言いながら陽菜が玄関のドアを開けて「ただいま~」と中に入る。
「おじゃましま~す」と俺も続いた。
すると廊下の奥、台所の方からさちえさんが姿を現してこっちに駆け寄って来つつ
「おかえり、陽菜ちゃん、恭ちゃん♡」
と呼びかけて抱きついてくる。ムギュッと柔らかな胸が押し付けられる。
それに恭ちゃん呼び!? さちえさんからは長らく恭介くんと呼ばれていたのでびっくりする。
が、何よりビックリするのはその格好だろう。何とさちえさんの格好は陽菜と同じように高校の制服姿なのだ。それも陽菜と違ってかなり着崩している。
スカートはウエストの部分で折り込んでかなりミニ丈にしていてむちっとした太ももが丸見えになっていてちょっと跳ねるとパンツまで見えてしまいそうだ。
冬服の上着は着ておらずブラウスだけなのだが、ボタンが上から2つほど外されており、ふくよかな胸の谷間までばっちり見えていて真っ赤なブラがちょっとはみ出て見えているし透けている。
元の世界にいたヒナを思い出すような見事なギャルスタイル。その上、いつもは後ろでまとめている髪もふわっと上げて頭の上でシュシュで止めている。
なんでこんなに
メイクはちょっとギャルっぽいがそこまできつくない。黒ギャルのヒナと白ギャルのさちえさん!?
「な、な、な、なんて格好してるの!? お母さん! それ私の制服でしょ。もう許さないんだから」
と真っ赤になって怒っている陽菜が俺からさちえさんを引き離すが、そうして並ぶとちょっと年上の派手めなお姉さんと真面目で清楚な妹の美人姉妹いう感じで、そんな二人が揃うと俺の心臓はこの世界に来てから一番早く鼓動を打つのだった。
「え~、恭ちゃんはこういうお姉ちゃんは嫌い? 嫌いじゃないよね?」
さちえさんが陽菜をあしらいつつ流し目で俺に聞いてくる。もちろん大好きです!!!
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