ep22 太陽と氷
総合体育館、体育館とあるが実際は亜人の能力の育成を行ったりするための建物のようだ。 見た目は6階建てのビルで、たまに白衣を着た研究者のような人が歩いている。 入り口からしばらく歩くと前にはとても大きなエレベーターが立ちはだかっていた。 先導していたつつじ先生はポケットからカードキーのようなものを取り出してエレベーターの操作板にかざす。 ピッという電子音と共に大きな扉が光の粒となって消える。
「ここからは、お前たちだけで行くんだ。 降りたら生徒会の連中がいるから案内してもらえ〜 」
そういうとつつじ先生は大きなあくびをしながら来た道を戻り始めた。 俺たちは困惑しながらもエレベーターに乗り込んだ。 最後の1人が乗った瞬間ドアがいきなり現れ、その瞬間ふわりと無重力のように体がふわりと浮き上がる。 そして数秒も立たぬうちに地下一階ですとアナウンスが流れ、ドアが再び消える。
開いた先にはガタイのいいうちの制服に身を包んだ男の人が立っていた。
「ようこそ!翔高学園高等部へ! お前たちをオレ様は歓迎するぞ!ガハハハハ! 」
腰に手を当てて上を向いて笑っている。 ものすごくテンションが高い人だ。
「オレ様の名は謎多き天才ピアニストであり、校内1位の学力を持ったイケメン3年生、そして美貌の筋肉!筋肉!
またガハハハハ!!と上を向いて笑う。 ナレーション風に自己紹介をしてくれたらしい。
「あの、ほんとにピアニストなんですか?」
「いや!かっこいいから適当に言った!ガハハハハ!! 」
なんかみんなシーンとしている中ひとりでガハハと笑っている男の人。 しかも前に立ち塞がっているから進むことすら出来ない。 どうしよう。
困惑していたその時だった。 嵐山先輩が氷の柱に変わってしまった。
「煩い、耳障りだ。 」
後ろから腰まで長く伸ばした黒髪、冷たい突き刺さるような目をした女の人が歩いてこちらに向かってきていた。 何がとは言わないが色々大きい。
「うちの嵐山申し訳ない、今からあんた達案内するから着いてきて 」
「い、いや嵐山先輩は…… それに氷の柱も立ち塞がっていますし…… 」
「はぁ、その程度も破壊出来ないのか? 先が思いやられるな 」
むかっ、それなら能力を使って壊してやるよ。 拘束具を外してポケットにしまい込む。 そして能力を使おうとした瞬間、聞き覚えのある声が空に響いた。
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