悲しませたくない

昨夜は病状が思わしくなかった。

そういう時、いつも思うんだ。


私が死んでしまった時、

誰が君にそれを伝えるんだろうって。


君はきっと律儀だから私が静かに亡くなっても

私からの返信をずっと待つんだろうなって。


それとも私に嫌われたと思って

また一つ心に傷を負うのかなって。


そんなことを

病にむしばまれて気怠い身体と一緒にベッドに横になって

微睡みながら考えたんだ。


君はきっと私がいなくなったら

とても悲しむだろうなって。


自分がいなくなって悲しむ人を作るのが嫌で

今まで人を好きになるのを避けてきた。

でももう君の言葉は私の中に溢れすぎてて。


君は優しいから

「泣かないで」と言ってもきっと無理だろう。


なんで自分はこんな病気なのだろう。

そしてどうしてこんな私と君は

出会ってしまったのだろう。


たくさんの幸せをくれる君を

悲しませたくないのに。

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