こしおれたんか(ハードル競技、など)

300文字セレクト 🐾夏の狸球児🐾 雲下うさぎ様自主企画「お題（夏）で３００文字以内の詩か小説を募集」

うち狸　野球の好きな　阿波狸

白球と汗、泥まみれのユニフォーム、

夏空　夏風　夏雲　夏毛

猫　狐　狸も人もひたむきに　

めざす遥かな夢　甲子園

勝って鳴き　うゆん　こん　にゃあ　

負けて鳴く　うゆん　こん　にゃあ　

けだものだもの

仕様書の通りにちゃんと化けました　

高野連さんこれでええよね

尾をしまい　隙なく化けて立つ打席　

正体知るは化猫主審

念願の代打　血潮を　肉球で

さまして向かう　最後の打席

一塁に泥だらけの顔　伏せたまま　

メットは飛んで　揺れるケモミミ　

無情にも　転がる白球　はみ出る尾　

振り返る　もう　夏、終わってた

「栄冠は君に輝く」うちの夏　

狸火ほども輝かなかった

とおい夢　帽子に書いた合言葉　

甲子園の蔦　頭に乗せる！

人間の好む感動ストーリー　

化かし使うて　一丁あがり