🐾狸球児🐾こしおれたんか二十首連作⚾️pico様『きみと過ごしたあの夏の日の青は』に寄せて

pico様『きみと過ごしたあの夏の日の青は』


 🐾⚾️ありがとうございます⚾️🐾


https://kakuyomu.jp/works/16817330658199220276

   



白球と汗、泥まみれのユニフォーム、

夏空 夏風 夏雲 夏毛


人里に バットのかわいた音だけが 

ひびく夕暮れ 狸火ともす


練習着 名前の字面が江戸時代 

毎年かならず数匹おるよね


山中の巣から四つ足ランニング 

うゆんうゆんと鳴き声そろえ


練習後 四つ足ふらふら帰り道 

バッタ コオロギ おやつがほしい


猫 狐 狸も人もひたむきに 

めざす遥かな夢 甲子園


勝って鳴き うゆん こん にゃあ 

負けて鳴く うゆん こん にゃあ 

けだものだもの


仕様書の通りにちゃんと化けました 

高野連さんこれでええよね


尾をしまい 隙なく化けて立つ打席 

正体知るは化猫主審


審判の コールにニャンがついてきて 

笑い堪える捕手の声出し


念願の代打 血潮を 肉球で

さまして向かう 最後の打席


一塁に泥だらけの顔 伏せたまま 

メットは飛んで 揺れるケモミミ 


無情にも 転がる白球 はみ出る尾 

振り返る もう 夏、終わってた


「栄冠は君に輝く」うちの夏 

狸火ほども輝かなかった


あの頃はなぜか叶うと信じてた 

狸も甲子園に行けるって


とおい夢 帽子に書かれたメッセージ 

甲子園の蔦 頭に乗せる!


「藤兵衛の巣穴教えてうちにだけ」 

仲介なんてしとうないのに


人間の好む感動ストーリー 

化かし使うて 一丁あがり


コンクール なに甲子園 甲子園 

野球部だけが 高校生ちゃう


うち狸 野球の好きな 阿波狸 

それ以上でも以下でもないじょ


 


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