残り香 飽和させるは 血の巡り

私だって生きている

 残り香(のこりこう)っていうのは一つの区切りが終わる時が近づいているときです。蚊取り線香が残り少しになってきた時のにおいみたいな感じです。イメージ的には。

 この句は、去年の夏休みの終わりをイメージして考えました。

ここからは関係あるけどないような話です(ちょっと残酷な話かも!!!!!注意!!!!!!)



その時に思い出したことは、亡くなってしまった習字教室のおばあちゃん先生です。私の苗字を名前が一緒で「結婚したら」なんて話をしたのを覚えています。

 夫婦で教室を開いていた先生方は、とてもいい人たちでした。数字の9が上手に書けると褒められては、学校で周りに自慢したものです。

 奨学4年生のとき、じいちゃん先生は亡くなりました。習字教室の離れのトイレで頭を打って倒れていたとのことです。当時の僕には死因が何であったとかは覚えていません。

 小学6年生、もしくは中学1年生のなりたてのとき、おばあちゃん先生は亡くなりました。古くなった教室を新しく建て替えるということと、体調が良くないのでしばらく教室はお休みに、と同時期であったため、半年は会うことはなく、最後はお葬式で会いました。そこから書初めで入賞することはなくなりました。

 

 頑張っていてもいずれ人は死にます。それはいつ訪れるか分からない、絶対にいつ死んでも悔いはないとはいえないです。それは死に対してかけ離れているほど生活は豊かで平和だから。だから、泣きます。生きている間は血が巡ってくれる。ぶつけて頭から赤い何かが漏れているときはあんなにも恐ろしいだろうに。

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