第37話 『♡ Kyoko Love ♡』

番外編 康之編:

142


37.


 ♡:。.。 石川恭子と垣本宏が電撃的に結婚したのは桜の花が散り

若草の季節となった頃のこと。。.。:♡ 4月中旬以降

 

 

 ・・・時は前年度に遡る・・・


 ファッションの街、神戸三宮をファッション一色で盛り上げる為

まだまだ残暑の残る9月に神戸コレクション開催、続けてサンコレが

三宮センター街で開催された。


 過去何度か他の現場でも一緒になることがあり、9月のサンコレでも

同じ舞台に上がった白鳥多恵子と、センター街のジュンク堂書店で遭遇。


 俺も彼女もお目当ての本を買った後で、ちょうどどちらも今から一階に

エスカレーターで下りようとしていた時だった。


 「やぁ、白鳥さん、奇遇だね。ここへはよく来るの?」

 先を譲った白鳥さんに後ろからそう声を掛けた。


 「ひと月に一度は来ますよ~。

 結構いろいろ本を見て回るのが好きなもので」


 そんな風に答えた彼女が、一階まで下りてビルの出入り口まで

来ると・・


 「亀卦川さん、折角だからお茶しません?」と言ってきた。

 


 ほいっ、きたっ!

 誘われたのは初めてだ。


 俺も今まで彼女を誘ったことなし。


 すぐ頭に浮かんだのは・・・ただの時間潰しなのか?

 何か話したいことでもあるのか? だった。

 もう17時ちょい過ぎた。


 彼女はモデルをしてるだけあって、その辺の一般の女性に比べれば

スレンダーで綺麗な子だけど、何ていうかな・・・ちょっと違うんだよな。


 気持ち的に一番近い感情、食指が動かない存在とでもいうか。


 

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