第4話 『♡ Kyoko Love ♡』4-2

4-2.☑


 年の瀬も年の瀬、12月も終わろうかという時間帯に垣本から

Lineが届いた。


 「まだ起きてる? 」


 「はい」

   

  

 「来年の飲み会、第2週目の金曜になった。

 森田も参加するらしいよ。白鳥さんはどうかな?

何か聞いてる? 」


 「少し聞いてます。

 彼女はたぶん参加しないと思う・・ずっとこの先も」


 「そっか、分かった。

 君は来れそう? 」


 「はい、行きます」


 「よかった。じゃあまた、、楽しみにしてるよ」


 除夜の鐘が鳴り出したので・・。


 「新年明けましておめでとうございます」

 と、送った。


 「新年明けましておめでとうございます」

 と、彼からも同じ文言が送られてきた。


 新年が明けた瞬間、挨拶できる誰かがいてくれてよかったと

恭子は思った。



 垣本とのLineの後、ベッドの中で・・


 「ガキさんの幸せのお裾分けにあずかれますように」

そう恭子は口に出してそっと呟き、瞼を閉じた。


      ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 そう、ガキさんこと新垣桂子は、つい最近素敵な男性ひと

結婚して奥さんになった。


 この時の恭子の願いは決まった対象、例えば垣本とか

のことを想ってのものではなく、これから出会うであろ

う未知の人物に向けての言葉であった。


 なぜなら、垣本は自分をそういう対象には考えていな

いだろうと思っていたから。


 付き合わなければ、カップルになった4人のように喧嘩

別れすることもなく、楽しく飲める友達として長く続けて

いけるので、これはこれでいい関係じゃない? と、そんな

ふうに捉えていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る