創作エッセイ・自分語り②

 遣唐使の恋を書きたい。

 すごく書きたい。

 浪漫を感じる!!


 そう思ったものの、悲しいかな素人。

 インスピレーションの卵があっても、そこからすぐに物語を作り上げることができず、イメージがポワポワとあるだけで、


(いつか書きたいな。)


 と思いつつ、ずっとその卵を温める日々が続きました。足踏み状態です。


(これじゃいつまでたっても、物語を私の外に出せない。物語作りに真剣に取り組もう!)


 そう腹をくくったのは、多分、2019年。

 奈良時代は素人でしたので、図書館から本を借りてきて、知識を蓄えるところからスタートです。

 遣唐使について、平城京について、桃生柵もむのふのきについて、万葉集について……。


 私だけの奈良時代があって良いはずです。

 オリジナルの世界を構築することを恐れるべきではありません。

 それまでの人生のなかで、歴史小説もいくつか読みましたが、同じ題材をあつかっていても、作家によって、描き方は様々です。

 だから、私だけの奈良時代を作るんです!


 奈良時代は古すぎて、資料が少ないです。

 これは、良いようにも悪いようにも作用します。

 遊行女うかれめは実在ですが、その生活はわからない。和歌とすこしのエピソードが残ってるだけで、人数とか暮らしぶりは全くわからないんです。

 それでは物語が書けない。なら設定を作ってしまえ……。


 私はロマンチックなファンタジーが好きです。

 夢見るように、その世界に浸りきりたい。

 物語を読んでる間だけは、その夢が覚めてはいけません。

 ほんの少しの綻びだけで、その夢はあっけなく醒めて、読者は現実に引き戻されてしまいます。

 そんなの嫌。

 醒めない夢を。圧倒的なロマンスを───!!


 なので、かなり架空の設定をいれてあります。






 ヒーロー、上毛野君かみつけののきみ大川おおかわ

 彼のキャラには、一番こだわりました。キャラを肉付けするために、彼がオンギャー! と生まれたBaby時代から、話を作りました。

 せっかく遣唐使を扱うのだから、遣唐使が上毛野君かみつけののきみ大川おおかわだけではもったいない。従者も描こう。

 そう、従者も唐に行く。

 その従者には、日本に置いてきた女がいる。

 唐に来るのでなければ、恋人になれた従者と女。女はずっと、上野かみつけのくにで従者の帰りを待っている……。


 三虎みとら古志加こじかの原型です。


 上毛野君かみつけののきみ大川おおかわは、戰場に立った経験も欲しい。剣の技量、胆力が、経験があるかどうかで違ってくるはずだから。


 戰場は戰場で、ヒーローとヒロインを作り、一つの物語としたい。


 真比登まひと佐久良売さくらめの原型です。


 三つの長編。

 ハク の物語。

 古志加こじかの物語。

 佐久良売さくらめの物語。


 まだ、タイトルも決めず。

 三つの物語、同時進行で、全部、キャラ、プロットを決めました。

 私はお絵描きもするので、ほとんどのキャラのキャラデザも決めました。

 だから、これだけキャラの数が多くても、キャラの雰囲気が全作品を通してかぶってないんです。



 

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