第4話消えた絵画の謎

ある日の放課後、学園の謎解き探偵部の部室に、新たな事件の依頼が舞い込んだ。被害者は学園内で活躍する才能ある画家、橘真央(たちばな まお)だった。


真央は涙を浮かべながら話し始めた。「私の描いた絵画が消えてしまったんです。展示していた教室に入った時にはちゃんとあったのに、戻ってきたら何も残っていなかったんです。どうか、助けてほしいんです」


私たちは真央の心配を受け止め、事件の現場である教室を訪れた。教室は真央の個展会場として使われており、彼女の作品が美しく並んでいた。しかし、一部の作品が欠落していることが明らかだった。


綾音は考え込んだ表情で言った。「絵画が消えたということは、誰かが盗んだのかもしれませんね。被害者の真央さん以外に、誰かが知っている人物はいますか?」


真央はしばらく考えた後、ふと思い出したように言った。「実は、私の作品を評価してくれる先輩画家がいるんです。彼は常に私の展示会に訪れ、絵画の才能を認めてくれていました。でも最近、少し変わった態度をとるようになって、私に対して嫉妬心を抱いているのかもしれません」


私たちはその先輩画家の名前を聞き出し、彼のもとへ向かうことにした。彼の名前は石黒翔太(いしぐろ しょうた)という。


翔太のアトリエに到着すると、彼は絵筆を握りしめながら真剣な表情で作業していた。「何か用か? 私は忙しいんだ。真央の絵が消えたなんて聞いてないぞ」と彼は冷たく言った。


私たちは翔太に真央の話を伝えると、彼は顔色を変えた。少し戸惑いながらも、「真央の絵が消えたと言うのなら、それは私にとっても大問題だ」とつぶやいた。

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