夢のマイホームで発狂するな

 俺はまたマイホームに戻っている。次女が熱を出し、仕事は休んだ。妻はいつもと変わらぬ笑顔で、娘たちはめちゃくちゃ喜んでくれている。とにかく発狂しなければいいのだ。


 今年は10代のころ妻とは知り合って20年目である。そろそろ妻に恋した人生のほうがそうでない人生より長くなっている。まあ恋してというかストーキングと依存が共依存になっているだけの20年な気もするが……。


 とにかくまあ、妻曰く、妻と子らには俺が必要ということらしい。ありがたいことだ。同居の父親はマジで何一つ言ってこない。妻にも娘たちにもだ。彼がNo.1のアスペルガーな気もするが、なにぶん「俺は困ってない」(家族は困ってます。by妻)のままなのでこのまま死んでいくのだろう。彼は大人しい。発狂しないから僕は好きだし、妻は諦めている。そして孫には良い祖父だ。


 俺もまあ、無能で発狂実績があるが、それでも赦してもらっているのだ。感謝する。良い人間になり、発作がない人生を送ろう。

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