第56話 -ボス部屋?-

「さて、ここら辺は一掃したことだし、先に進みますか!」

そう僕が呼びかけると、

「そうだな。休憩もしたし、もう戦えるだろ。」

「そうね、先に進みましょう。もしかしたらすぐに宝、だったりしてね〜?」

「私の杖……まってて。」


少し不安な返答である。


それから僕たちは、広い広い洞窟の中を探索していた。


「いや本当に広いな!?」

僕の心の叫びが声になる。

「そ、そうね、まさかこんなにも広いとは。」

「ほんとにな。敵も多いし、ただただウザイ。しかも地面が不安定だ。」


みんなも疲弊してきている、ということが手に取るようにわかる。

なんせ自分が1番疲れてるからな!

……悲しくなってきたわ。


それから僕たちは奥へ、奥へと進んでいった。

ぱっと見入り組んでいる洞窟に見えてしまうが、実際はそんなことない。

想像よりも一本道である。

広い部屋と広い部屋を狭い道が繋ぐというのがたくそんあると言う感じだ。

まぁ、転移してすぐ宝!っていう隠し部屋もあるのだからそのくらいじゃなきゃ困るのだが。

にしてもあれなんだよな。ここ無理やり掘った感じがすごくて崩れそうなのが怖いところなんだよな。

ま、流石にそこまでリアルじゃないことを祈るだけかな。


そして、歩き、歩いた時今までよりも広い空間に出た。


「なるほど、ここがボス部屋かな?」

「どうやらそうみたいだね。」

僕の呟きにシュンが反応する。


「ね、ねぇ、あれどうする?」

後ろから声がする。ファイの声だ。

「……さて、どうしようか。こんなのきいてないぞ?!」

「誰も言ってないからな。」

いやそう言うことじゃなくてねシュンくん。

まあいいや。


ひらけたボス部屋には、何百?いやもっといるだろうと思われる大量の蟻と、クソでっかいボス蟻がいた。

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