第53話 -蟻と氷-

「えっと、どうする?」

流石にこれだけの数、僕たち4人だけではキツいのでは?

「どうするも何も、倒すしか無いでしょ!」

シュンがこたえる。

「えーっと、ビッグアントの弱点は?」

「ビッグアントとかの虫系のやつには炎が効くはず!」

なるほど。

じゃあファイさんの魔法が頼りだな。


「ファイさん!」

「言われなくてもわかってるわよ!ファイアーグラウンド!」


ファイさんの魔法が放たれ、あたりが炎で燃え上がる。


「やったか!?」


おいシュン、わかって言ってるだろ。

まあ、これで効かないわけないしな。

死亡フラグくらい大丈夫だろ。


そして炎がやむ。


「シュンが死亡フラグ立てたからだろこれ。」

「関係ないよ!?」

ビッグアンドはほとんど無傷だった。


「なんで無傷なのさ!?ちょっとくらいならダメージはいるんじゃなかったの!?」

「あれ、なんか赤くね?」

え?


「あー確かにちょっと赤茶色っぽい気もするわね。」

ファイが返す。

えちょっとまってそれってつまり?


「亜種……かなあ。火属性のビッグアントなんて聞いたことないよ。」

「と、とりあえず攻撃しなくちゃじゃない!?近くまできてるよ!?」

僕は叫ぶ。


「ま、ちょっくら暴れますか。」

しゅんはそう言って、自信満々に突撃していった。


カキン!

と音が鳴る。

え、なんの音?

いやシュンが刀をぶつけた音なのはわかるよ?

でもなんでそんな金属的な音が鳴るの?

「硬っ!?」

なるほど?完全に上位種と見て良さそうかな。

さて、どう倒したものか。


「ちょっとラック!働いてよ!」

ファイさんから急かされる。

やるしかないかぁと思いながら近づこうとすると、


「アイスステージ」

その瞬間、床が氷になった。

そして敵の足だけ固まっている。

「えぇ?」


後ろを振り向くと、魔法を放った張本人、ユキがいた。

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