第4話 -NPC-

さてと、いまはチュートリアルの途中だったね。

ということで、矢印についていく。

少し歩くと、そこにはとてつもなく大きい壁があった。

でかっ!?


壁……?

と思ったが、僕はすぐに気づいた。

壁の下のほうに、車が数台は通れそうなほどに大きい門と、門番らしき人がいた。


防壁か。

考えてみれば当たり前である。

さっきまで通ってきた道……森はモンスターがいるのだから、それ対策ならば壁くらいあるだろう。

スライムよりも強い奴とか当然いるだろうし。


とりあえず近づいてみる。

そこで門番に話しかけてみた。


「あの……中に入りたいんですけど。」

「やぁこんにちは!旅人さん疲れただろう?はやく中に入りな。」


ん?

少し違和感を感じる。


そうか。NPCか。

さすがに完璧な会話をしてくれるAIはまだないからな。

さすがにここはプログラムしてあるのね。


と考えていたら、門が開いた。

そして、門番に言われた通り、中に入る。


「……すっっっっっげえええええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

おもわず叫びそうになった。

さすがはフルダイブVRMMOというべきか、ぬるぬる動く人達、もはや現実としか思えない質感、グラフィックの家、人ごみの声一つ一つが鮮明に聞き取れるほどの音。


……完璧だ。

森の時から薄々感じていたがこのゲームはリアルすぎる。

現実との見分けがつかなくなりそうだ。

と、感動していた。


視線を感じる。


……あ、道のど真ん中にいたら邪魔だよね。

そう思い、チュートリアルを進めることにした。

チュートリアルの矢印に従って進む。


その矢印に沿って進んでいると、そこには大きな建物があった。


看板には、冒険者ギルトと書いてある。

中に入ってみると、なにやら、騒がしい。

でも、何か事件があったとかの雰囲気とは違うので、多分ここはいつも騒がしいのだろう。


中にいる人たちを眺めるとにお酒、しかもビールのようなものを飲んでいるようだ。

バールのようなものではないよ?


ここは酒場でもあるのだろう。

ゲームの中でも酒を飲むのってどうなん?


おっと、また脱線してしまったな。

チュートリアルを進めよう。


その時、透明な板のようなものが浮き出てきた。

そこには、冒険者登録をしよう。と記されていた。

冒険者登録って?

という疑問もあるが、とりあえず従おう。


矢印についてくと、カウンターのようなところに来た。

「こんにちは!私はギルド職員のニールです。冒険者ギルドは初めてですか?」


話しかけられる。

「はい。」

とりあえず答えてとこう。


「では、ギルドについての説明をしますね。

長くなりますが付いてきてくださいね!」


「え」


「ギルドとは、依頼をし、依頼をこなす場所です。

もちろん、あなたも依頼ができますよ。その依頼は基本的に安全を脅かす、魔物の討伐や、ダンジョンの攻略です。」


「えぇと」


「次にランクですね。冒険者と、依頼や魔物にはG~SSSのランクがついています。たくさん依頼をこなしたり、強い魔物を討伐すれば、ランクが上がります。

そして、討伐した魔物から出てきた素材はギルドで売却するか、鍛冶師などに依頼して、装備にしたりするのがいいと思います。」


「ほかに気になることがあれば、いつでもご質問いただけます。」


「……特にありません。」

しどろもどろになりながらも、一応答える。


「依頼はここカウンターからあちらにあります、掲示板にて受けることができますよ。」



……長い!!!!!!!!!!!!!!!!

しかも速い!!!!!!!!!!!!!!!


まぁ他の漫画とかゲームとかと設定が同じ感じだから、なんとなーくは覚えられるけどさ。


NPCにどう受け答えすればいいのかわからないのよ……

ちょっと人見知りな僕にはちょっと厳しいと思った。

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