後輩とコラボ配信3
橘エリス。身長:160センチ/誕生日:6月9日
お芋とゲームをこよなく愛する絶賛反抗期中の女子高生。お小遣いがピンチなのと、セレナーデに入ればゲームし放題と聞いて面接を受けた。
基本的にツンケンしているが根は寂しがり屋で、かまってもらえるのが大好き。
本人はセレナーデの常識人枠と思っているが、実際はおてんばな一面も…?
先輩後輩関係なく仲を深めるのが得意で交友は意外と広かったりする。
特にシューティングゲームが得意。熱中しやすい性格で、相手に勝つと思わず奇声を上げてしまうことも。(セレナーデのホームページより引用)
最初にエリスの全身イラストを見た時の感想は、シンプルに「可愛いな」だった。
銃を構え、不敵に笑う制服姿の女の子。
ゲーマーらしく猫耳のヘッドホンを着用していて、制服の上からは青配色のパーカーを羽織っている……というか、着崩している。
それがエリスのキャラクターデザインだった。
彼女のデビュー当初はまだFPSは禁止されていなかったので、このような仕上がりになったのだ。
ちなみに、ホームページには女子高生とあるが本人は20歳を超えている。
そのため、配信中に缶チューハイを開け出すこともしばしばで、そのたびにリスナーに「未成年が飲酒していいのか」と突っ込まれている。
その時は「女子高生だけど成人済みだからいいんだ」と返すのがお決まりである。
さらに、酔いだすと気が大きくなって失言が多くなることからついた異名が、失言女王だ。
その昔、彼女の酔っ払いFPS配信でリスナーに私とFPSコラボをしないのかと問われた際、「まりあ先輩は反射神経も落ちてるだろうしなー」と笑って返していたのを今でも忘れない。
そのくせ、私の前だと恐縮するんだよね。
今回は久しぶりのコラボでテンアゲしているのかぐいぐいくるけど。
まあ、その二面性が彼女の面白いところではある。
そんな彼女もデビュー前はセレナーデリスナーだったらしく、最推しはゆきあだったとのこと。
まあ、セレナーデのメンバーはゆきあ推しが多いからね。
私のことを最推しですとか言われると、逆張りか? と思ってしまうほどに。
そして、
身長:156センチ/誕生日:7月30日
可愛いものとオシャレとゲームが大好きなセレナーデのギャル担当。
ゲームはあまり得意ではないが、ゲームを楽しむことに関しては人一倍得意。
単発、シリーズ物問わず手に取り、「キノッピーの伝説」ではプレイ時間130時間を記録したこともある。(セレナーデホームページより以下略)
ナナは面白いことがあるとすぐ首を突っ込む癖があり、その猪突猛進さでセレナーデを盛り上げてきてくれた。
ホームページの紹介にもある通りプレイするゲームのジャンルは多岐にわたり、昔はストリーマーのFPS大会に出たりもしていた。
今はマ◯オシリーズにハマっているらしく、よく穴に落っこちて絶叫しているのを見かける。
ゲーマーのギャル……という印象だが、世間で言うところのオタクに優しいギャルとかではなく、むしろオタクがギャルになったという感じだ。
だから本物のギャル、ギャル男に遭遇すると怯えるらしい。
とはいえ基本的に明るい性格なので私からしたら「ギャルだなあ」という感想。
あと、見た目も割と派手だ。
腰まで伸ばした髪は金色に染め上がってるし、ホットパンツに肩出しへそ出しという攻めたコーディネートは私からしたら眩しすぎる。
ちなみに、これは中の人の外見だ。
そう、リアルでそれなのだ。
そのくせ、「ギャル怖い」とか言うのだから解せない。
キャラクターイラストはやはりギャルで、しっかり肩とへそが出ているし、お洒落なキャップなんかも被っている。
そして、高級感溢れるコートを着用という、寒いのか暑いのか分からない服装になっているがそこは考えてはいけない。
なので見た目的には、ヒールをカツカツ鳴らしながらオフィス街を闊歩しているバリキャリのように見えなくもない。
履いているのはサンダルだけど。
「ナナー、コメントありがとう。まさかアウトドア派のギャルだったとは。私と
:《愛染ナナ》ウラギリチガウ、オソトコワイケドキャンプタノシイ...ソトデタベルカップメンウマカッタデス...
「なぜカタコト?」
『カップラーメン食べたくなってきた』
それには同意である。
コメント
:《愛染ナナ》ナンナラテトリアシトリオオシエシマスヨ...
:その権利高く買おう
:お前はおじキャンパーと添い寝してろ
「その気持ちだけ受け取っておくね……なぜか私以外の家族皆アウトドア派で無理矢理連行されたようなもんだから」
『そうなんすか。じゃあ今度みんなで海行きません?』
「話聞いてた? かつてないほど無意味な相槌だったな」
『セレナーデって意外とアウトドア派多いんすよ』
「言われてみればそうかもな。私はインドアだけど」
『だから今度行きましょう』
「お前に私の言葉は届かないのか? なに、意図的に心を閉ざしてるの? こんなに近くにいるのにすごい遠くに感じるよ。物理的には離れてるけど」
『いいじゃないですか、アブに追いかけられたりしましょうよ』
「嫌すぎるだろ。せめてもっといい提案はなかったのか」
『ないっすね!』
「そこ胸を張るところじゃねえから! まあ、せっかく可愛い後輩が誘ってくれてるんだから考えてみるくらいはするよ」
『是非に』
「あとなんか聞きたいことある?」
『え、じゃあスリーサイ』
「通話越しのセクハラやめい! ていうかお前そんなキャラだっけ。私の知ってる橘エリスは先輩のスリーサイズを聞き出そうとしたりしないぞ」
『ちょっと今後は橘の奥も見せていこうかなと』
「ほう、ということはこれは氷山の一角に過ぎないと……」
『……そうっすね!』
「やっぱり今日のお前変だわ」
コメント
:初期エリスに戻ってないか?w
:スリーサイズは想定外すぎたw
:まりあノリいいなw
:エリス大丈夫か?
:エリスがボケるとか余程まりあと話せるのが嬉しいんだな
:ところでスリーサイズは?
:デビュー当初のエリスは先輩にぐいぐいいってたもんなあ…なんか懐かしいわ
ということでエリスが若干暴走気味ではあったが、配信は無事に終了した。
配信を切ると、エリスが開口一番にこう言った。
『先輩マ――――ジですみません! めっちゃ失礼なこと言ってましたよね私!?』
「自覚あったんかい」
『もうほんとになんとお詫びすればいいか……! 切腹ですかね!? もう死んで詫びるしかありませんよね!?』
「待て待て、生きろ生きろ。配信終わった途端すごい謝るじゃん。別に気にしてないしいいよ、コメント欄も盛り上がってたし」
『でも……』
「それに、私としてはエリスががんがん来てくれたからやりやすかったよ。どしたん、今日は何か心境の変化でもあった?」
『心境の変化と言いますか……まりあ先輩とお話するの久しぶりだったんで……嬉しくて』
「あ〜、そういうことか。なに、可愛いところあるじゃん」
『マジで今日の配信一生観返せない……アーカイブ非公開にしたいレベル……』
「えー、なんで。面白かったけどなあ」
『そういう問題じゃなくてですね……! ああもうまりあ先輩心広すぎですって!』
「なんで私が責められる」
『あっ、いや……と、とにかく今回はほんとすみませんでした! あとおかえりなさい! すみません、配信中に言おうと思ってたんですけど緊張で内容飛んじゃって……』
もう完全にいつものエリスに戻っている。
さっきのエリスもあれはあれで面白くて良かったけど、こっちが私の知ってるエリスって感じだ。
さっきコメント欄に、初期エリスというワードがあったと思う。
あれは、デビュー当初の彼女のことを指した言葉だ。
デビューしたての頃の彼女は結果を残さなくてはという使命感からか、攻めた発言をすることが多かった。
そのせいで視聴者から誤解され、攻撃の的にされることも少なくなかっただろう。
紆余曲折あって今ではすっかり大人しくなっているが、彼女のリスナーの大半はその頃のことを覚えており、「初期エリス」というワードが誕生したのだ。
もっとも、本人の中では完全に黒歴史になっているんだけどね。
普通の雑談配信のつもりが、面白いものが見れたな。
私としてはもうちょっと初期エリスを見ていたい気持ちもあるけど、本人のメンタル的に厳しそうだ。
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