659. 依頼主
「依頼主は今回、竜の鱗の装備、それの型を作ることになった職人です」
「ああ。私に竜の鱗を貼る鎧を提供してくれる方ですか」
「はい。その方が、『自分の作った装備が国宝として納められるのは光栄だが、他人の仕事の原型として使われるのは納得ができない』とおっしゃっていまして」
気持ちはわかる。
ただ、現在の国主であるサザビー様の命令なんだから仕方がないとも思うんだ。
それを言い出したら、素材を提供する側も同じことを言い出しちゃえるし。
「でも、そのような方が私の作った装備で納得してくれるでしょうか?」
「ものの価値を見抜くことには長けているお方です。造りがしっかりとしているのであれば、文句は言わないでしょう」
「ふむ。その方というのは、ダグドロア卿か?」
どうやらプラムさんには心当たりがあるみたいだ。
ダグドロア卿って誰だろう?
「はい。ダグドロア卿です」
「なるほど。それならば、リリィの作ったものをいくつか贈った方がよさそうじゃな」
「あの、ダグドロア様とは?」
「リリィは儂の鎧を知っておるじゃろう? あれを作った職人じゃ」
プラムさんの鎧か。
あれって頑丈なだけじゃなくて装飾も豪華で、まさに将軍が着るに相応しい装備なんだよね。
そんな人が竜の鱗の鎧の中身を作るのか。
……それはもの申したくもなるね。
「事情はわかりました。私の方でも革鎧を作ってダグドロア様に贈呈いたしましょう」
「ありがとうございます。これでひとつ肩の荷が下りますわ」
それほどのプレッシャーになっていたのか。
とりあえず、こちらの納期は急がないので、竜の鱗の装備を完成させたときに一緒に送ることでいいことになった。
それだけ時間があれば素材も厳選できるだろう。
モウロウさんの時みたいにあり合わせでとはいかないからね。
そのあと、ダグドロア様の好みも聞き、鎧だけではなくドレスと着物も贈ることにした。
装備品だけではなく、ドレスや美術品に対する審美眼も優れているそうだ。
弟子も沢山おり、ダーシェ公国では最高クラスの職人のひとりらしい。
そういう人に私の作った装備がどんな評価を下されるのか、ちょっと興味もあるしね。
私の装備は高級品だと使う人に向けてとことんカスタマイズするものだけど、使う人が明確に決まっていないものは作ったことがない。
これもいい機会になるのかも。
私自身が成長できる機会なんて滅多にないしね。
よし、帰ったあとアリゼさんたちに相談してどんな素材がいいかから決めて行こう。
自分でもどんな装備ができるかわからないのはわくわくするね!
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速報その3です!!
コミカライズの詳細が解禁になりました!
コミカライズ開始日:
2025年3月6日(木)
コミカライズ担当:
さんねこ先生
コミカライズ掲載場所:
ドラドラふらっと♭
https://comic-walker.com/label/dradraflat
詳しくは下記の近況ノートをご確認ください!
https://kakuyomu.jp/users/akisake/news/16818093094458232666
告知画像は私のXから確認ください(いただいた画像のサイズが大きくて近況ノートに貼り付けられなかった)
https://x.com/akisake/status/1892412904395165936
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