298. シャミのウェディングドレス
イメージが固まればあとは仕上げていくだけだ。
ドレスなので構造は複雑でも女神様の本があるのでなんとかなる。
まずはウェディングドレスをということで型紙を3日で仕上げ、一気に魔法裁縫と万能染色剤を使って作りあげてしまう。
妹のコニエリット様にも反応を見てもらうためだ。
その結果、コニエリット様からもお付きの方々からも絶賛されてウェディングドレスは完成となった。
それから目的の花もガーベラさんに頼むと何回かのやり直しの結果、完成することとなる。
ガーベラさんもその花でこの色は思いつかなかったらしく、自分で育てる分も含め種をたくさん作り出してくれた。
これを持参品として持っていけば話題となるだろう。
あとは普段使い用のドレスだけ。
こちらも基調となる色は決まったし、ドレスのパターンを変えて作っていけばなんとかなる。
期日までに間に合ってよかった。
果物から話が進むなんて思ってもみなかったよ。
ともかく、これで私の仕事は終わりだね。
あとはシャミ様に頑張ってもらおう。
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○●○●シャミ
ローデンライト様の勧めで私のドレスはヴァードモイにいるリリィと言う娘が作ることに決まった。
このリリィさんは私と同じ歳でありながら、魔法裁縫で斬新なドレスを仕上げ腕も一流なのだという。
最初会った時は戸惑ってしまったが、いろいろと話しているうちに人柄もわかってきて話が弾むようになってきた。
ただ、私のドレスの着想がなかなか思いつかないのだそうだ。
私の趣味とか好きな色を聞かれたが、私には趣味らしい趣味はなく、好きな色も思いつかない。
ドレスを仕上げるだけでも時間がかかりそうなのに、色まで指定していては時間が尽きてしまうだろう。
そう思いなにも話さなかったのだが、それが余計悪い方に進んだみたい。
そんな事態を打開してくれたのは、私には優秀すぎる妹のコニエリットである。
なんでもコニエリットが栽培しているコニエの商談でリリィさんと知り合ったらしく、私のドレスについても着想を出してくれたようなのだ。
本当に私には過ぎた妹だと思う。
そして数日後、完成したウェディングドレスは湖のような青から青空のような透き通った青へと変化していく素晴らしいドレスだった。
背の高い私にも配慮してくれており、幅広ではなくすらっとしたドレスである。
コニエの商談が終わってもヴァードモイに滞在してくれていた妹やメイドたちにも好評で、鏡に映った私を見るとまるで別人のように輝いていた。
ドレスひとつでこんなにイメージが変わるだなんて。
さらにリリィさんは普段着用のドレスも多数用意してくれた。
どれも青や緑の穏やかなイメージのドレスである。
妹はこれらを見る前にガレット伯爵領へ帰ってしまったけど、私とともに嫁ぎ先へと向かうメイドたちにはこちらも好評だ。
その上、リリィさんは私のウェディングブーケ用に花まで用意してくれた。
それはいままで見たことのない青い薔薇である。
リリィさんのもとには妖花族の女性もいて彼女に頼んで生み出してもらったそうだ。
この花だけでも素晴らしいのに、この花が咲く種まで用意してくれた。
私の嫁ぎ先は花の一大生産地なので、これが量産できればまた特産品が増えるだろう。
リリィさんには感謝の念しかない。
リリィさんはコニエも大量に買い付けてくれる契約を結んだようだし、これでガレット伯爵領にもお金が入ってくるだろう。
私は去ってしまうけれど、ガレット伯爵領が繁栄しますように。
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