第4話 畑を作りましょう
「お嬢様!お洋服が汚れてしまいます!!」
「今は洋服よりも畑を作る事が優先でしょ?」
屋敷の庭に戻ったボクは土魔法と性質変化を使って畑に最適な黒土を作り、土の肌触りを確かめていた。
転生したからだろうか?記憶にあるエリスの魔法よりもスムーズに唱えられて、その質も高いような気がする。
「それにお嬢様!こんなに大きな畑を作って、魔力切れを起こしたらどうするのですか!?」
「大丈夫...不思議と全然余裕なの。それよりもアーニャ、じゃがいもを持ってきてくれる?」
「あ、はい。でもじゃがいもは何に?」
「埋めるとじゃがいもの畑になるのよ!あとは家畜の糞尿も必要ね」
「糞尿ですか!!」
「それが野菜のご飯になるのよ。」
「糞尿がですか……たしかに農業が盛んな国には臭い地域があると聞きます。あまりの臭さに国境で野菜の輸入をしていると聞いた事があります!」
「そんな国もあるのね……独占じゃない。でも臭いからと勉強に行かなかった事が悪いわね」
とりあえず、じゃがいもから育てる事にして、ボクとアーニャで埋めて行った。
だけど、そこに初老の男性...
お父様の代わりに屋敷を守ってくれている執事のジョセフがやってきた。
「こらっ!アーニャ!!お嬢様に何をさせているんだ!」
「あっ、ジョセフさん...申し訳ありません...お嬢様、あとは私がやります!」
「ジョセフ、アーニャ。いいの、この畑はクライバート領の将来を護る物なの。ボクがしっかりと作り上げなきゃだめなのよ。」
処刑ルート回避の為にも自分の栄養管理もしっかりしなきゃいけないしね!
「お嬢様...どうかなされたのですか?」
「ジョセフまで酷いなぁ...」
やっとアーニャが驚かなくなったと思うと、今度はジョセフまで
「それにお嬢様!男爵家の令嬢ががボクなんて言ってはいけません!」
「いいじゃない...別に」
そうだ...ジョセフは小言がうるさくてエリスも常々反発してたけど、お父様の力でクビに出来ずに天敵となっていた人だった...
「お嬢様!早く畑から出てください!お召し物もお身体も汚れてしまいます!!」
「そんな事はいいから、ジョセフも手伝ってよ!」
「わたくしめがやりますので、お嬢様は見ていて下さい!!」
「いいの!早く!一緒にやるよ!!」
「えっ……」
驚いたリアクションはアーニャで十分だよ...
じゃがいもの他にもトマトやナスなど、屋敷に保管していた種や苗を使って畑を作っていった。
ジョセフもアーニャもその種と苗は領内で育つ場所を探して植えていた為、半信半疑...もしくはエリスの気まぐれの行動って思ってるんだと思う。
それでもなんとか畑を作って、魔法で栄養を与えた。
今回は大事な事だし...
ボクも農業の知識があるわけじゃないから、初回限定の
「お嬢様の気まぐれは程々にお願いします。アーニャ!お嬢様のお着替えと入浴の手伝いをしなさい」
「はい、ジョセフさん。エリスお嬢様。こちらへどうぞ。」
お風呂には入りたいけど……
行動をジョセフに決められて、ボクはドキドキしていた。
何故なら。
「お嬢様のご入浴です。マリンとルーシーは準備して下さい」
「「かしこまりました」」
アーニャに指示を受けたメイドの2人。
アーニャの方が新参者だけど、家柄と2人が16歳という事でアーニャが指示を出していた。
ボクが浴場に着くと、既にボクの身体を洗う気マンマンの2人……
タオルを巻いているとはいえ……
裸の女の子……
鼻血でそう……
「お嬢様。お召し物を...」
「あ、うん」
ボクが手を上げると金髪の幼さの残るマリンがボクの服を脱がせていく。
吸い込まれそうな谷間が見えるけど、気にしないように正面を向いた。
服を脱がされるボクの姿が鏡に映り。
え?
ボク...10歳だけど。
めちゃくちゃ可愛くない??
ロリコンとか、じゃなく……
シルバーのロングの髪の毛にクリっとした瞳。
鼻もスラッとして、控えめな口。
絶対に将来は美人になる奴だ……
前世と違って、これはモテる??
恋人とか作れるのかな!!
想像したら……♡
殿方と……オエッ!!
ないない!!
身体は女の子だけど、まだ心は佐伯天馬のまま!
40歳のおじさんだ!!
「お嬢様どうかなさいました?」
「ん?いや。大丈夫。マリンありがとう」
「えっ!!あっ、いえ、とんでもないです!!」
お礼を言っただけで、この驚きよう...
つくづくエリスって最低だったんだね。
何気にタオルを外したマリン……
発育途中の胸。
これがおっぱい!!
苦節40年。
初めて...リアルでおっぱいを見ました。
でも、いつも起き上がるアイツは……もういない。
いつの間にか服を脱いでいたアーニャとルーシーの3人に連れられてボクは禁断の園……
いわば女湯へと足を進めるのだった。
「いたっ!!」
「お嬢様!どうしました??大丈夫ですか!!」
「うん、ツマづいて転んじゃっただけ...」
おっぱいを見ててツマづいたとは言えず……
「今日は大変でしたよね。お疲れなんですよ。」
アーニャに起こしてもらって、優しくアーニャに抱きしめられた。
てか、アーニャ大きい...
苦しいけど……顔がアーニャのおっぱいに挟まれて、きっと変な顔になってるんだろうなぁ...
しかも、柔らかい...
「アーニャありがとう。大丈夫!」
さりげなく、顔を離す時に手のひらでおっぱいを触ってみた。
「やわっ!!」
「え?」
「いや、なんでもないわよ。」
「ふふっ。エリスお嬢様もそのうち大きくなりますよ」
アーニャは優しく声を掛けて、ボクの手の上に手を重ねて柔らかい胸に押し当てた。
優しく?
ボクにはヤラしくだね。
これは決して痴漢ではない!
だって、同姓だし?
ボクは子供だもん!!
その日のお風呂は秘密の花園を楽しめる事はなかった。
なぜなら、顔が自然とニヤけてしまうから、ニヤケないように気を付けて。
視線を3人から逸らすことに集中してしまったから...
それから3ヶ月の月日が流れ。
ボクの畑から無事に野菜が収穫されるのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ご意見ご感想を宜しくお願い致します!
コメントを頂けるとモチベーションが上がりま!!
(՞ ܸ . . ܸ՞)゛
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます